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"依然 成し遂げられていないテイルの夢…正規-非正規職 力を集めなければ"

原文入力:2010-11-02午後08:22:56(1264字)
 ‘息子の意’ 40年受け継いできたイ・ソソン氏

チョン・チョンフィ記者

一筋の風がふうっと吹いた。"風が体をぐるっと回るのか" 思った瞬間、八十二才の老駆はその場に倒れた。去る4月のことだ。一ヶ月を病院で過ごした。子供たちは高血圧と糖尿病を病む母親が不安だった。しかしお母さんはそのままでは倒れなかった。

 "私一人が死ねば小さな穴が一つできるでしょう。労働者と学生が集まりデモを行い大声を張り上げれば、その穴が少しずつ広くなって、労働者たちがどのようにすれば自分の権利を得ることができるのか知ることになるでしょう。そのようにすると必ず約束してくださいよ。"

40年前、その寒かった11月13日の夜、全身に包帯をぐるぐる巻きにして横になって最後の約束を促すチョン・テイルに "私のからだが粉になってもお前が頼んだことをする" という母の約束は、イ・ソソン氏の運命になってしまった。

その日以後、イ氏は息子の友人らと共に清渓被服労組を作り、全国の労働争議現場を歩き回り労働者の団結、労働者と学生の団結を叫んだ。中央情報部の懐柔も、警察が棍棒で殴っても彼女の歩みを止めることはできなかった。お母さんはこのように‘闘士’として立ち上がった。

10月22日ソウル、昌信洞の2階借家で会ったイ氏は「どのようにして暮らしたたかも知らない内に40年があっという間に過ぎ去った」と話した。「民主労総の旗の下、集まって一つになろう」と歌を歌った労働者たちの希望が1995年全国民主労働組合総連盟(民主労総)建設で現実化したことが最も忘れることのできない瞬間だといった。

そしてまた15年が流れた。テイルがきっぱり望んだ、労働者が機械でない人間の扱いを受ける世の中は近づいたのだろうか? イ氏は 「40年の間、そうやっても(労働者の世の中は)良くならなかったよ。テイルにまた会えば‘できなくてごめん’と言わなくちゃ…」として首を横に振った。

彼女が見るには、まだ道は遠い。この時代の労働者の暮らしは 「自殺する者も多く腹がへった者も多いが、うわさにならないだけ」であり、現政権になって「ますます難しくなっている」ということが彼女の考えだ。

 「(経済を)誰がこれほど成長させたか…。学者がしたのか? 政治家がしたのか? 労働者が骨を溶かしてしたんだろう。それなのに労働者を物扱いして、非正規職に追いやるんだから、ふぅ~。民主労組が正規職と非正規職を一つに集めて頑張ることができなくて。」意外に低く震えるお母さんの声には遺憾が色濃く染み出た。
文 チョン・チョンフィ記者 symbio@hani.co.kr
写真 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/446778.html 訳J.S