原文入力:2010-09-06午前09:00:23(1492字)
‘4大河川事業’調査ために来韓したアルポンス ヘルリヒ プライジェ
イ・グンヨン記者
30年 河川研究したドイツ専門家
"人為的工事 生態系 悪化 憂慮
自然状態 維持がより効率的"
"19世紀ドイツで洪水防止のために堰を建設したが、むしろ洪水水位を高めただけで農林業生産性は下がりました。"
我が国の4大河川事業調査のために訪韓したドイツ河川専門家 アルポンス ヘルリヒ プライジェ(67・写真)博士は5日、ソウル、瑞草区の教育文化会館で開かれた記者懇談会で「まだ4大河川事業現場を見ていないので何とも言えない」としつつも「ライン川の失敗に見るように、川に堰を積み水位を高めることは慎重に接近するべきこと」と強調した。ヘルリヒ プライジェは、1976年から2008年まで30年余りをドイツ連邦自然保護庁の河川と氾濫原生態系部署で勤めた引退公務員だ。川に設置した堰が地表水と地下水に及ぼす影響と、それにともなう森と農耕地の被害現象を研究し、自然保護庁の公式文書その他にも個人名義の論文だけで40編余りを発刊した河川専門家だ。
4大河川殺し事業阻止と生命の川保全のための汎国民対策委員会(汎国民対策委)の招請で韓国に来たヘルリヒ プライジェ博士は、来る17日まで留まり梨浦堰、康川堰、陜川堰、咸安堰など4大河川事業現場を見回した後、調査報告書を作成することにした。4大河川事業違憲違法国民訴訟団は彼の報告書を4大河川訴訟証拠資料として裁判所に提出する計画だ。
ヘルリヒ プライジェ博士は「ドイツで河川浚渫および堰建設が洪水と周辺生態系、経済性などに及ぼす影響を理解するのに5年ほどかかった」とし「韓国で短い時間に多くのことを説明することはできない」と話した。しかし彼は「ドイツは1800年から1875年までライン川上流地域を人為的に深く掘り、堰を設置したが、当時は特別な技術や材料がなく全て手で作業した」とし「韓国の4大河川事業は最新技術と機械で作業を行い、はるかに深く掘りおこしているので、結果的に生態系や経済性が悪化する可能性が高い」と付け加えた。
ヘルリヒ プライジェ博士は「自動車エンジンのピストンが自ら上ったり下がったりしなければならないが、これを人為的に一定水位に合わせるならば、その自動車は博物館に行かなければならないだろう」としながら「河川も周辺に十分な氾濫原を置き自ら水位を調節するようにしなければならない」と話した。彼は実例としてライン川周辺に氾濫原を復元した後、洪水量が10%程度下がった事例を挙げた。また、川が氾濫した後、水が抜ける速度が人為的な堰や堤防が建設された場合より、氾濫原など自然状態を維持した方がはるかに速いと話した。ヘルリヒ プライジェ博士は「オランダの場合、国土の6分の1を氾濫原として復元するという計画を立てた」として「氾濫原を水の空間に戻すことにより、残りの空間は安全にさせるという戦略」と紹介した。彼は4大河川調査の途中、9日に昌原大で開かれる4大河川関連シンポジウムに参加する予定であり、調査を終える来る15日にソウルで記者会見をした後、17日にドイツに帰る。
イ・グンヨン先任記者 kylee@hani.co.kr, 写真 4大河川事業阻止汎国民対策委提供
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/438404.html 訳J.S