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"王室儀軌 還収手続き 簡単ではないだろう"

原文入力:2010-08-18午後08:44:07(1677字)
韓国に来た笠井 亮議員

ノ・ヒョンソク記者

←笠井 亮議員

購入文化財が交渉の障害物
韓国側 慎重な対応が必要

日本,宮内庁 現況提供 張本人
"年内に帰ってくるよう最大限努力"

この土地に帰ってくる我々の文化財は具体的にどんなものだろうか。今年中にくることはできるのだろうか。還収手続きは?

去る10日、菅直人日本総理の談話で日本宮内庁に所蔵された朝鮮王室儀軌など我々の古文書文化財の返還が現実化しながら、直ちに浮上する気がかりなことだ。これに対する日本側関係者たちの考えはどうだろうか。

"解決が簡単ではないでしょう。"

去る16日、朝鮮王室儀軌還収委員会(共同代表 キム・ウィジョン)の招請で訪韓し、18日に記者らと会った笠井 亮 日本共産党衆議院議員(衆議院外務委員・写真)が出した診断だ。去る3年余りの間、日本で韓国の朝鮮王室儀軌還収委と手を握り日本国会次元の儀軌返還運動に力を尽くしてきた彼は「儀軌など流出文化財を本来の場所に戻さなければならないというのは当然だが、返還が成し遂げられる時まで日本政府と政界の中でも手続き、返還品目を巡り複雑な協議と調整が必要だろう」と見通した。
「朝鮮王室儀軌などの返還のための制度的手続きは2種類考えることができます。特別法を新たに作るか、今回の文化財返還のために新しい条約を2ヶ国間で結ぶことです。だが、その過程はかなり複雑でしょう。」

1965年の韓日協定で文化財関連基本規定がすでに完結したと見るのが日本政府の基本的立場であり、反対勢力もいるので、2種類の手続き中どちら側に行こうが日本国会内での合意を経なければならないという説明だった。笠井 亮議員は個人的には別途の前例が作られる可能性が高いと見通した。

 "1991年に英親王妃 李方子女史の服飾を韓国に返還する時、当時与党の自民党政権が別途の前例を作った経緯があります。今回の儀軌返還もそのような方式で解決できるのではないかと思います。ただし韓国・日本両国が慎重に協議し早く方法を定めなければなりませんね。"

返還する文化財品目と関連しては慎重な対応を繰り返し頼んだ。彼は「儀軌以外に相当数の文化財が朝鮮総督府を経由した韓半島由来ということは確実だ」という日本宮内庁長官の発言を伝えながら「宮内庁と日本外務省、韓国の外交通商部と文化財庁が協議している段階だが、できるだけ円満な結論が出ればという期待」と話した。

変数は日本宮内庁が総督府寄贈本ではなく、直接市中で購入したと明らかにした<進饌儀軌>をはじめとする印刷本儀軌 4種。笠井議員は「購入文化財の場合、日本の財政関連法により別途の代価を受けなければ出すことはできない原則があるので、儀軌類返還交渉にとって障害物となりうる。交渉全体が水泡と帰さないよう慎重に接近しなければならない」という憂慮を伝えることもした。

笠井議員は宮内庁内の朝鮮王室儀軌現況を把握するのに、国内当局者でもできなかった成果を上げた経緯がある。去る4月、日本宮内庁に直接質問し現地所蔵された王室儀軌が81種167冊だという自主調査内容を最終確認しつつ儀軌還収の決定的根拠を提供した。

こういう彼の情熱は2007年8月、宮内庁で初めて<明成皇后国葬都監>などの儀軌を閲覧した当時に受けた強烈な印象のためだったという。「几帳面に記録された祭礼手続きと生き生きした各種器物の絵、風変わりな編集などを見て、ひと目で必ず帰らなければならない文化財だということを感じた」という彼は「韓日併合100周年の今年、儀軌などの流出した文化財が必ず韓国に帰ってこれるように努力する」と誓った。

ノ・ヒョンソク記者 nuge@hani.co.kr ,写真ニューシス

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/435713.html 訳J.S