本文に移動

実績主義批判には罷免、拷問放置には停職…警察懲戒基準は何か

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/433421.html

原文入力:2010-08-03午後10:45:10(1482字)
陽川署長 停職1ヶ月‘綿棍棒(温情)処分’論難
拷問加担 下位職 全員罷免 不満の声も

キル・ユンヒョン記者

警察指揮部が‘陽川警察署拷問・苛酷行為事件は過度な実績主義のため’と批判した警察署長には最高水準懲戒である‘罷免’処分を行い、実際に拷問・苛酷行為が起きた警察署の責任者には停職1ヶ月の‘温情’懲戒を行い、論難がおきている。警察内外では 「大統領まで立ち上がり深刻な憂慮を示した事件なのに、警察首脳部は安易に対処しているのではないか」という批判が出てきている。

警察庁は先月30日、中央懲戒委員会を開きチョン・ウンシク前陽川警察署長(待機発令)は停職1ヶ月、イ・ヘシク刑事課長(待機発令)等は停職3ケ月などの懲戒を議決した。懲戒委は‘拷問疑惑で警察の威信が墜落し、国家人権委員会と検察が調査や捜査をしても報告しなかった点’等を懲戒理由として挙げた。だが、停職は罷免・解任・降格など重懲戒の中で最も軽い処分だ。

これに対し警察内部では「警察指揮部に対する直言や批判が拷問や金品授受よりさらに悪いことなのか」という批判が出てきている。先立って警察庁は先月22日‘陽川署拷問事件の原因がチョ・ヒョノ ソウル地方警察庁長官の行き過ぎた実績主義のため’と批判したチェ・スチャン前ソウル、江北警察署長を罷免した。当時、警察庁は「総警級幹部であるチェ前署長が警察内部の公式的な意思伝達経路を経ずに記者会見を通じて直属上官の退陣を要求した」という点を懲戒理由に挙げた。実際、警察は昨年5月 警察‘内部掲示板’にチョ・ヒョノ ソウル庁長(当時 京畿警察庁長)の実績主義を批判したパク・ユングン前安山常緑警察署警査(訳注:巡査部長相当)を罷免し、これに同調意見をあげたヤン・ドンヨル ソウル水西警察署警査など3人も罷免処分した。首脳部批判は容認しないという意を明確にしたのだ。

だが、警察のこういう懲戒基準も過去事例に照らしてみれば一貫性を見出し難い。参与政府時期の2007年8月、ファン・ウナ当時警察総合学校総務課長(現ソウル庁刑事課長)はキム・スンヨン韓火グループ会長請負暴行事件を隠ぺいしようとしたイ・テクスン警察庁長官の退陣を要求したが、当時は3ヶ月減給の警告懲戒を受けるのに止まった。

下位職警察官らの不満も大きくなっている。拷問事件の責任者であった警察署長は1ヶ月の停職処分をしたが、拷問処置に直接加担したソン・某警偉(訳注:警部補相当、巡査部長の上)など下位職警察官5人は全員罷免する方針だ。ソウルのある警察署の警査級職員は「警察署長などは‘私は知らなかった’と言い逃れ責任を免れたかも知れないが、今後そのような指揮官を誰が信じて従うか」とし 「下位職警察官らが受ける傷と挫折感が相当大きいようだ」と話した。一線では実績を圧迫した幹部らは責任を免れ、結局 現場実務者だけが責任をかぶったのではないかとの冷笑が存在するということだ。

今回の‘温情’懲戒は警察首脳部が当初から陽川署拷問事件を深刻に考えず、ただ‘夕立ちだけ避けてみよう’式で対応したという点を示す。実際、警察は今まで拷問捜査や実績主義に対する改善策を出していない。 キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr

原文: 訳J.S