12・3非常戒厳でハンギョレなどの報道機関への電力と水の供給停止を指示した疑いで起訴されたイ・サンミン前行政安全部長官が、二審で懲役9年を言い渡された。裁判所は国民の安全の責任者として「罪責は非常に重い」とし、一審(懲役7年)より重い刑を言い渡した。
内乱を専門とするソウル高等裁判所刑事第1部(ユン・ソンシク裁判長)は12日、内乱重要任務従事、権限乱用権利行使妨害、偽証の疑いで起訴されたイ前長官に対し、懲役9年の判決を下した。二審はイ前長官の罪に対する一審の判断を維持したが、一審の刑が軽いと判断し、刑期を2年追加した。
同高裁は「(12・3非常戒厳は)通常時の憲法秩序で代替しえない国家非常事態だとは評価できない。この事件の非常戒厳の違法性は明白」だとして、国憲びん乱を目的とする、暴動を伴う内乱であると12・3非常戒厳を定義した。さらに、イ前長官が12・3非常戒厳で尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の指示を受け、ハンギョレなどの尹錫悦政権に批判的な報道機関を物理的に封鎖することを目的として、それらの報道機関への電力と水の供給を停止するよう消防庁に指示したとして、内乱重要任務従事について一審と同様に有罪と判断した。
昨年2月の尹前大統領の弾劾審判での発言に適用された偽証容疑についても、一審と同じく「尹前大統領から電力と水の供給停止を指示されたことはなく、消防庁などにも伝えていない」と証言したことのみを虚偽とみなし、一部有罪と判断した。
しかし同高裁は、一審の量刑は罪責に比べて軽いと判断した。同高裁は「報道機関への電力と水の供給停止措置は、合法的な非常戒厳の下でも許容されない違法な行為」だとして、「当時、行政安全部長官として国民の安全と災害管理に責任を負う地位にあったことに照らして、その罪責や非難の程度は非常に重い」と述べた。