エグザビエル・ブランソン韓米連合司令官兼在韓米軍司令官が22日(現地時間)に、戦時作戦統制権(戦作権)の韓国への移譲について、「2029会計年度の第2四半期(2029年1~3月)までの条件達成に向けたロードマップを国防総省に提出した」と語った。実際の移譲までには韓米間で激しい交渉が繰り広げられる見通しだ。専門家は、ブランソン司令官の発言は時期よりも条件の充足を強調したものであり、韓国に対する国防予算拡大の圧力が強まるとみている。米国が具体的な戦作権の移管の達成時期に言及したのは初めて。
ブランソン司令官が示した2029年第1四半期(1~3月)は、李在明(イ・ジェミョン)大統領の任期(2030年6月まで)中だ。同時に、2029年1月20日までが任期となっているトランプ大統領と後任の米国大統領の任期が重なる時期でもある。韓国政府は戦作権移譲に前向きなトランプ政権の任期中の2028年までに戦作権の移管を完了しようとしているが、米大統領選の行方によっては移管の時期が変わる可能性が高い。キム・ドギュン元首都防衛司令官はハンギョレに「戦作権移管の条件達成が次期政権に引き継がれる可能性をも米国が考慮していることを示唆する」と語った。
韓米は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に戦作権を2012年4月までに転換することで合意していたが、李明博(イ・ミョンバク)政権によって2015年12月に延期された。2013年2月に発足した朴槿恵(パク・クネ)政権は、時期ではなく、共同防衛を主導するために必要な軍事力▽同盟の包括的な北朝鮮の核・ミサイルの脅威への対応能力▽安定した戦作権移管に合致する朝鮮半島域内の安全保障環境という3つの条件にもとづく戦作権移管に合意した。
ブランソン司令官は、近く開催される韓米統合国防協議体(KIDD)の会議、韓米軍事委員会(MCM)、韓米安保協議会(SCM)などでこの事案を議論する予定だと述べた。韓米両国は、今年10月に米国で開催される第58回韓米年次安保協議会議において、戦作権移管に向けた3段階の評価・検証手続きの第2段階に当たる未来連合司令部の完全運用能力(FOC)の検証を終える計画だ。
国防省のチョン・ビンナ報道官は定例ブリーフィングで、「戦作権移管の時期は韓米の国防長官が決定し、両国の大統領に提案する予定」だとして、「まだ戦作権移管の時期について申し上げるのは早い」と述べた。
専門家は、ブランソン司令官の発言の焦点は「条件の充足」だとみている。戦作権移管の時期を2029年第1四半期と明示したというより、その時期に転換が可能となるよう、韓国は国防予算の拡大と軍事準備体制の強化にいっそう積極的に取り組むべきだという圧力だということだ。
実際にブランソン司令官は「条件にもとづく戦作権移管を継続的に推進し、すべての条件が満たされるようにする」と語っている。同氏は前日に米上院軍事委員会で、戦作権について「政治的便宜主義が条件を追い抜いてはならない」と述べている。これについて世宗研究所のキム・ジョンソプ首席研究員は、「戦作権移管は本質的に政治的決定の領域であることは明らかだが、ブランソン司令官は『条件にもとづく』という枠ばかりを強調している」と述べた。
ブランソン司令官はさらに「我々は北朝鮮に関する任務に『必要不可欠だがより限定的な』支援を提供しつつ、同時に西へと視野を広げる方策を模索している」と語った。在韓米軍が台湾海峡など朝鮮半島の外の状況にも関与するという「戦略的柔軟性」を重ねて強調したものだ。