台湾の外交当局者たちが、韓国の電子入国申告書における「中国(台湾)」表記に反発し、31日までに韓国が対策を示さなければ、台湾の電子入国書類の「韓国」の表記を「南韓」に変更するとして、「最終通告」とも取れる発言を相次いで行っている。台湾が国内政治のためにこの問題を過度に強調しているとの見方もある中、韓国政府が31日以前に「妙策」を提示するかに注目が集まっている。
台湾外交部東アジア・太平洋司(局)の林昭宏局長は、24日の定例記者会見で、韓国側に厳格な関心を示し交渉を行ったとし、今月末までに回答を求めたと、台湾「中央通信」などが報じた。林局長は「韓国側が期限内に前向きな回答をしなければ、台湾政府は来月1日、『台湾電子入国登記票』の出生地・居住地項目における韓国の英語表記を(大韓民国を意味する)『Korea, Republic of』から(南韓を意味する)『KOREA(SOUTH)』に変更する」と述べた。また「韓国と台湾の民間は長年にわたり経済貿易・文化・観光・人的交流などで密接に交流してきた」とし、「韓国が相互尊重と対等の原則に基づき、台湾の要求に真摯に向き合い、速やかに修正することを望む」と語った。
これに先立ち、台湾の林佳龍外相は22日夕方、現地放送に出演し、「韓国側が10年以上前に台湾に『漢城』を『ソウル』に、『南韓』を『大韓民国』と変更してほしいと要請した際、いずれも協力したのに、韓国は台湾の要求を放置し、関心を示さない」と批判し、31日までに韓国が前向きな返答を示すよう求めた。
問題の発端は、昨年2月に韓国法務部が「電子入国申告書」を全面導入し、パスポート上の国籍を「台湾」に選択できるようにしたものの、出発地または次の目的地の項目では「中国(台湾)」と記載したことにある。その後、台湾政府が韓国政府にこの問題を提起し、解決策を模索するための水面下で交渉が行われてきたが、昨年12月から台湾外交部と台湾総統が介入し、韓国政府を強く批判したことで、この問題が浮上した。台湾外交部は18日、公式サイトで「韓国の電子入国申告書の不当な呼称に対する迅速な修正要求」という題名で、31日までに韓国が中国(台湾)の表記を変更しなければ、韓国人の入国書類の表記を「南韓」に変更する方針を示し、外国人登録書類の表記はすでに「南韓」に変更したと発表した。さらに、台湾の外相や外交当局者は連日、韓国を標的にした発言を繰り返している。
韓国の外国人登録証においては、2004年からすでに20年以上にわたり台湾人の国籍表記が中国(台湾)と表記されてきたが、長い間問題になっていなかった。ところが、昨年から台湾政府が急にこの問題を強く提起する背景には、「一つの中国」に反対し中国と距離を置くことを強調する台湾の頼清徳政権が、台湾国内の支持者に対し「韓国に強く抗議し、台湾の主権を守っている」ことを示す政治的目的があるものとみられる。中国との対立が激化し、国内でも与党・野党が拮抗する政治状況に直面している頼清徳政権が、11月に行われる地方選挙を前に支持者を結集させようとしているという意味だ。特に、デンマークが最近入国申告書類で台湾の表記を中国(台湾)に変更し、ベトナムなどは昔から中国(台湾)と表記しているにもかかわらず、台湾が韓国のみを名指しし、時限付の「最終通告」で圧力をかけているのは異例といえる。
韓国政府内部では、台湾が昨年12月に続き今回もこの問題を繰り返し公に強調することで、むしろ解決策の模索がますます困難になっていると戸惑う声があがっている。台湾側がこの問題を繰り返し強調すればするほど、韓中間の問題へと拡大する恐れがあるため、韓国政府としては慎重にならざるを得ない。
現在、韓国外交部や法務部などは、このような複雑な状況を踏まえた現実的な解決策を検討するため、協議を進めている。外交部関係者は24日、「政府は韓台の非公式実質協力を推進していくという一貫した姿勢のもと、関係省庁間の協議を基に検討を続けている」とし、「政府は韓台の非公式実質協力の促進に資する方向で諸問題に取組んでいくことを望んでいる」と述べた。
台湾メディアは、韓国が「台湾が受け入れられる案」を提示する可能性があると報じている。「中央通信」はこの日「駐台北韓国代表部(駐台湾韓国大使館にあたる)がすでに台湾外交部に返答しており、韓国外交部が関連措置を取っていることから、これは台湾が受け入れられる案の可能性がある」と報じた。