チョ・ウンソク特別検察官(特検)チームは25日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の内乱首謀者容疑事件の一審で、無期懲役が言い渡されたことを不服とし控訴した。尹前大統領側は前日、裁判所に控訴状を提出した。この事件は、23日から稼働したソウル高裁の内乱専担裁判部で控訴審が開かれる。
特検チームは同日午後、「被告尹錫悦ら8人に関する内乱首謀などの事件について、被告全員に対して、事実を誤認し、法理を誤解しているとともに、量刑が不当だと判断し控訴した」と発表した。これに先立ち、ソウル中央地裁刑事第25部(チ・グィヨン裁判長)は、19日に内乱首謀容疑で起訴された尹前大統領に無期懲役を言い渡した。特検チームは尹前大統領に死刑を求刑した。
特検チームは一審が判断した尹前大統領の戒厳準備時期について、納得できないという立場を示した。特検チームは、軍の将官人事があった2023年10月頃から戒厳に関する謀議が行われ、翌年3月から尹前大統領が防諜司令官らとソウル鍾路区三清洞(チョンノグ・サムチョンドン)の安全家屋などで「非常大権」に言及するなど、戒厳宣言の1年前から戒厳をめぐり話し合いがあったとみている。特検チームはこれを裏付ける主な証拠として、内乱の黒幕と疑われているノ・サンウォン元情報司令官の手帳メモを挙げた。ところが、一審は「尹前大統領が戒厳を決意した時期は宣言の2日前である2024年12月1日」とし、特検チームの主張を退けた。ノ元司令官の手帳も「戒厳計画の過程で作成されたとは断定しがたい」とし、信憑性がないとみなした。
特検チームは一審が判断した内乱共犯の成立基準についても、控訴審で争う姿勢を示している。一審は内乱共犯が成立するためには単に暴動に関与した事実だけでは不十分であり、「国憲を乱す目的の認識と共有が認められなければならない」という厳しい基準を示し、ユン・スンヨン前国家捜査本部捜査企画調整官に無罪を言い渡した。一方、内乱に加わった疑いで起訴されたイ・サンミン前行政安全部長官に対し、一審で懲役7年を言い渡したソウル中央地裁刑事32部(リュ・ギョンジン裁判長)は、「平均的な法感情を持つ一般人でも戒厳令の宣言とその後の行為に対する違憲・違法要素があることを十分認識できる」と判断した。
特検チームは求刑よりも低い判決を受けたり無罪を言い渡された他の被告についてもいずれも控訴した。一審でキム・ヨンヒョン前国防部長官は懲役30年(特検の求刑は無期懲役)を、ノ元司令官は懲役18年(求刑は懲役30年)、チョ・ジホ前警察庁長は懲役12年(求刑は懲役20年)、キム・ボンシク前ソウル警察庁長は懲役10年(求刑は懲役15年)、モク・ヒョンテ前ソウル警察庁国会警備隊長は懲役3年(求刑は懲役12年)がそれぞれ言い渡された。キム・ヨングン前陸軍大佐(求刑は懲役10年)とユン前調整官(求刑は懲役10年)には無罪が言い渡された。