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「コロナワクチンにカビ」通報放置した韓国疾病庁…1420万回分接種

登録:2026-02-24 08:17 修正:2026-02-24 09:21
リコールや製造会社の行政処分なし 
異物のないワクチンよりも異常反応率が高い
コロナワクチンの接種/聯合ニュース

 2021年から実施された新型コロナウイルスのワクチン接種の過程で、疾病管理庁がワクチンにカビや髪の毛、二酸化ケイ素などの危険物質が混入しているとの通報を受けていたにもかかわらず、特に対策を取っていなかったことが、監査院の監査で明らかになった。その結果、異物が発見されたワクチンと製造番号が同じ約1420万回分のコロナワクチンが国民に接種されていた。

 監査院は、このような内容を含む「新型コロナウイルス対応実態の診断および分析」の主な監査結果を23日に発表した。監査院は、国内で初めてコロナ患者が確認された2020年1月から保健福祉部中央事故収拾本部(中収本)と疾病管理本部中央防疫対策本部(防対本)が解散した2024年5月までの間のコロナへの対応体制、防疫・医療・社会対応、そしてワクチンの5つの分野を点検した。

 コロナワクチンの導入および接種の過程において、各省庁の役割分担の不明確さと粗末な対応措置のせいでワクチンの導入が遅れたり、危険な状況への対応が不十分だったりしたことが明らかになった。疾病庁は2021年3月から2024年10月までに、ワクチンに危険性が懸念される異物が混入しているという通報を127件受けていた。しかし接種保留などの措置は取らず、製造会社にそれを知らせるだけで、問題のワクチンと製造番号が同じ1420万回分のワクチンが接種され続けていたことが確認された。

 例えば、2022年3月にある地域の病院が特定の製造会社のワクチンに黒い異物が混入しているのを発見して通報したが、疾病庁は特に措置を取らず、1カ月後の4月ごろに通報内容を製造会社に伝えていた。製造会社は2カ月後に、その物質がカビであることが確認されたと返答した。疾病庁は通報内容を食品医薬品安全処にも通知していなかった。監査院は、製造工程で汚染の可能性があったにもかかわらず、問題のワクチンと同じ製造番号のワクチンが約190万回接種されていたと明かした。

監査院社会福祉監査局第3課のチョン・ジンス課長が23日、ソウル鍾路区の監査院の記者室で、「コロナ対応実態の診断および分析」の主な監査結果を発表している/聯合ニュース

 通常はこのようなことが発生すると、問題のワクチンをリコールしたり製造会社に行政処分などを下したりする必要があるが、疾病庁は何ら措置を取っていなかった。疾病庁と食薬処は2021年3月に「コロナワクチン共同マニュアル」を作成し、ワクチンに品質の問題が発生した場合、疾病庁から通知を受けた食薬処が製品を分析し、その結果にもとづいて疾病庁が措置のレベルを決定することにしていたが、守られていなかった。

 ただし監査院は、異物混入通報の中ではワクチン製品のゴム栓の破片が835件(65%)で最も多く、ワクチンの成分(粒子)の凝集が264件(20.5%)で、危険性は低かったと発表した。通報された異物にはカビ(1件)、髪の毛(2件)、二酸化ケイ素(106件)なども含まれていた。監査院の関係者は「コロナの発生が異例だったうえ、疾病庁は派遣人員が多い状況で混乱している中、手続きを適切に守れなかったという立場だった」とし、「(髪の毛が混入したワクチンなどの)安全性はすでに数年が経過しているため、確認する方法がなかった」と述べた。監査院は、危険性が懸念される異物が発見されたものと製造番号が同じワクチンを接種した人の0.272~0.804%が異常反応を示しており、これは危険性が懸念される異物が発見されていないワクチンの平均異常反応報告率よりも0.006~0.265ポイント高いと明らかにした。

 有効期限の切れたワクチンが接種された例も2703人集計された。しかし、疾病庁がこのような誤接種を知らせなかったため、半数以上の1504人(55.6%)が再接種を受けていていなかった。

 政府による海外開発ワクチンの導入過程で発生した遅延問題も指摘された。当時、主要国は2020年7月から競って国外製薬企業のワクチンの先行購入契約を結んでいたが、韓国は先行購入契約を結びはじめたのが11月末で、契約が遅いとの批判を浴びた。監査院の調査で、疾病庁と福祉部が国外製薬企業との交渉業務を押し付け合っていたため、先行購入が遅れたことが明らかになった。旧疾病管理本部が2020年9月に疾病庁に昇格・独立したことで製薬企業との交渉・契約業務の所管が曖昧になったこと、福祉部と疾病庁が互いに所管省庁ではないと主張したことで契約推進が止まり、1カ月以上も交渉が遅延したという。

 監査院は、政府が当時、中対本を飛び越し、専門家による検討を経ずにワクチン導入戦略を決定していたことも指摘した。2020年8月の時点で汎政府委員会は、中対本の立場と同様に「人口の70%以上」のワクチンを「迅速」に確保するとの基調で、ワクチン導入計画を中対本で最終決定することを決めた。しかしその後に行われた中対本会議では、ワクチン導入の件は1件も上程されなかった。最終的に同年9月に非公式の協議体である関係長官会議を経て、国務会議で「人口の60%」のワクチンを「慎重に」導入する方向で計画が確定した。

 この過程で、専門家の意見はきちんと伝えられていなかった。監査院の関係者は「国内のワクチン開発の速度と海外の製薬企業との交渉の進捗具合を総合的に考慮して下された結論だと思われる」とし、「(先行して行われた)ワクチン導入諮問会議では、人口の100%の量を目標に早急に推進しようと主張されていたが、こうした声が上にうまく伝わらず、政府の意思決定過程に吸収されなかった面がある」と述べた。また、国外で開発されたワクチンの導入が急務であったにもかかわらず、ワクチンの種類や数量を決定する公式の専門家機関が存在していなかった。専門家機関が設置されたのは、2020年9月に導入量が確定してから2カ月後だった。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1246116.html韓国語原文入力:2026-02-23 16:36
訳D.K

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