在韓米軍の戦闘機が西海(ソヘ)の中国の防空識別圏近くで空中訓練をおこなっていたところ、中国軍が戦闘機を緊急出撃させたため、朝鮮半島のそばで両国の戦闘機が対峙(たいじ)するという事態が発生した。今回の訓練は韓国空軍が参加しない米軍単独の訓練だった。在韓米軍は韓国軍に訓練の計画や目的を知らせていなかったという。
今月18日に在韓米軍の複数の戦闘機が京畿道平沢(ピョンテク)の烏山(オサン)基地を離陸して西海へ向かい、韓国と中国の防空識別圏の中間地点まで進入して哨戒(しょうかい)飛行をおこなっていたことが、19日に確認された。米軍の戦闘機が中国の防空識別圏に接近したことで、中国も戦闘機を出撃させ、米国と中国の戦闘機が西海上で一時対峙したという。ただし、両国の戦闘機は互いの活動を監視するにとどまり、軍事的衝突には至らなかった。
在韓米軍の戦闘機は西海で頻繁に訓練をおこなっているが、中国の防空識別圏付近まで進入するのは極めて異例。防空識別圏は航空の脅威を早期に識別するために任意に設定されたもので、国際法上の領空とは異なるが、軍用機の場合、相手国の防空識別圏に接近する前に飛行計画などをあらかじめ通告するのが国際的な慣行となっている。韓国の防空識別圏は、朝鮮戦争中の1951年3月に米国が設定。中国の東シナ海上の防空識別圏は2013年11月に中国が独自に定めた。
中国の防空識別圏近くで行われた在韓米軍の戦闘機の異例の訓練については、「中国けん制」の性格を帯びたものと解釈しうる。在韓米軍は最近、「逆さの東アジアの地図』を内部教育に使用するなど、北朝鮮の脅威に備えるだけでなく、中国けん制などに在韓米軍を用いようという、いわゆる『戦略的柔軟性』を強調している。
韓国軍の関係者は「米軍単独の訓練であるため、今回の訓練の性格などについて言及するのは難しい」と述べた。在韓米軍の関係者も「今回の訓練の事実関係の確認は制限されており、現在、在韓米軍の立場から明らかにできる情報はない」と語った。ただしこの関係者は「今後必要な内容があればインド太平洋軍が説明することもありうる」と述べ、今回の訓練が在韓米軍レベルではなくインド太平洋軍レベルで行われた可能性を示唆した。