本文に移動

‘出口戦略’失踪した韓半島

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/431965.html

原文入力:2010-07-26午前08:43:13(1633字)
韓・米連合訓練強行に北韓‘物理的対応’明示
対話・協力ムード 喪失、軍事・外交 葛藤 高まる

イ・ジェフン記者

天安艦沈没が激動させた韓半島情勢の軍事・外交的葛藤が簡単には収まる兆しが見られない。‘対話と交渉’を強調した国連安全保障理事会の天安艦関連議長声明が「局面転換の機会を提供した」という評価があったが、ヒラリー クリントン米国国務長官の去る21日の追加対北韓制裁方針公表と25日からの韓-米両国の東海連合訓練強行でむしろ東北アジアの軍事・外交的葛藤が高まる雰囲気が明確だ。北韓は24日、国防委員会と外務省が出て韓-米連合訓練と追加制裁に‘核抑止力に基づいた物理的措置’で対応すると反発し、楊潔チ(竹かんむり+褫のつくり)外交部長も23日、ベトナム、ハノイでクリントン国務長官に会い韓-米連合訓練反対方針を繰り返し明らかにした。

北韓国防委員会は24日スポークスマン声明を出し、韓・米両国の連鎖連合訓練を 「我々(北)に対する軍事的圧殺を狙った露骨な挑発行為」と規定し「必要な任意の時期に核抑止力に基づいた我が国式の報復聖戦を開始するだろう」と明らかにした。国防委は「朝鮮半島の非核化はより一層はるかに遠くなるだろう」と強調した。北側外務省スポークスマンも同日<朝鮮中央通信>記者会見形式を借りて「米国は戦争演習強行と制裁を通じた圧迫強化に出てきている」とし「米国の挑発策動は我々が定めた禁止線を越えるものであり、こういう条件で我々も米国が描いた禁止線にこれ以上こだわる必要がなくなった」と明らかにした。外務省スポークスマンは「核抑止力をより一層多角的に強化し強力な物理的措置を取ることで対応するだろう」と強調した。

北側のこういう反発は‘核抑止力’を繰返し強調したという点で強度が非常に高い。だが‘即刻且つ具体的な対応措置’を挙論しなかった点には留意する必要がある。対応措置と関連して「必要な任意の時期」(国防委スポークスマン声明)または 「対話と戦争の双方に共に準備されている」(外務省スポークスマン)などの但し書を付け、対話と交渉の余地を置いたわけだ。これと関連してパク・ウイチュン北側外相が23日アセアン地域フォーラム(ARF)で 「(天安艦沈没が招いた)去る数ヶ月間の戦争直前の爆発的情勢は共和国(北)の安定と人民に被害を与え、経済に深刻な損害を持たらした」 として「(今は)いつにも増して無限に安定した情勢が必要な時」と強調した事実に注目する必要がある。北側は今、対決よりは対話と交渉を望むというメッセージと解釈することができるためだ。

問題は韓・米両国の態度だが、対話と交渉を模索する雰囲気が見られない。韓国政府高位当局者は「今は出口戦略を議論する時ではない。韓-米連合訓練は年末まで毎月行う」としつつ、反対に強硬基調を強調した。フィリップ・クラウリー米国国務部公報担当次官補も北側国防委スポークスマン声明に対し 「北韓と口げんかを行うことには関心がない」という冷たい論評した。

楊潔チ中国外交部長が最近、アセアン地域フォーラムなどで6者会談と関連して既存の 「早急な再開」 ではなく「再開のための条件造成」の必要性を強調した事実は意味深長だ。韓・米両国政府の態度に照らし、6者会談の早期再開は期待しにくいという中国政府の判断に根ざした外交的修辞であるためだ。韓国政府の別の高位当局者も「天安艦影響圏から抜け出そうとすれば、かなり時間がかかるだろう」と話した。韓半島に濃厚に垂れこめた葛藤と対決局面がどのような波及効果を産み、どのように展開するのか憂慮される時点だ。

イ・ジェフン記者 nomad@hani.co.kr

原文: 訳J.S