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李大統領「技術蔑視した国は滅びる」…来年の研究開発予算、過去最大の3兆7千億円

登録:2025-08-23 01:26 修正:2025-08-23 09:54
李在明大統領が22日午前、ソウル龍山の大統領室で開かれた国家科学技術諮問会議の全員会議の冒頭で発言している=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 李在明(イ・ジェミョン)政権は、2026年の国の研究開発(R&D)予算案を過去最大規模の35兆3000億ウォン(約3兆7500億円)編成することを決めた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代には研究開発予算の削減が学界から強く批判されたが、それを回復させたのはもちろん、より多くの予算を配分することにしたのだ。李大統領は「歴史的にみれば、科学技術を尊重した国は栄え、蔑視した国は滅びた」と述べた。

 李大統領は22日、大統領室で国家科学技術諮問会議の全員会議を開催し、来年の国家研究開発事業の予算配分・調整案を審議したほか、新政権のAI(人工知能)政策の方向性などを点検した。国家科学技術諮問会議の議長は大統領で、この日の会議は政権発足後初めての開催。

 この日の会議で李大統領は、科学技術情報通信部(ペ・ギョンフン長官)から2026年度の国家研究開発事業の予算配分・調整案について報告を受けた。「李在明政権K-R&Dイニシアチブ」と名付けられた予算案は、過去最大規模の35兆3000億ウォン。科技情通部は「体質改善と革新を基盤として『真の成長』を実現しようという政府の意志を込めた」と説明した。これは尹錫悦政権2年目の2024年の予算案で政府の研究開発予算が前年に比べ9.4%減の26兆5000億ウォン規模とされ、科学界の激しい批判を浴びたことと対照的だ。今年の研究開発予算は29兆6000億ウォンにまで回復しているが、来年の予算案はそれより19.3%増やすということだ。

 この日の会議で李大統領は、「歴史的にみれば、科学技術を尊重し、技術が発展した国は栄え、技術を蔑視した国は滅びた。今も違いはないと思う」と科学・技術を支援する考えを示した。李大統領は「不幸にも一種の誤解や問題で(科学技術予算に)浮き沈みがあった。しかし、今回の予算で正常な増加傾向に戻ったようだ」と評価した。そして「みなさんの意見に沿って調整されうるが、これはおそらく大韓民国の新たな発展の試金石になるのではないかと期待する」と述べた。

 今回の研究開発予算の最重要項目は、8兆5000億ウォン(約9020億円)規模の国家戦略技術関連予算だ。昨年に比べて30%近くの増額だ。科技情通部は「量子コンピューティング、合成生物学などの源泉技術の先取りを支援するほか、AI半導体、量子耐性暗号などのサプライチェーンや安全保障に必要不可欠な核心技術も内在化する」と述べた。AIエコシステムの独自の力量を強化するための研究開発には、2兆3000億ウォン(約2440億円)が配分された。再生可能エネルギーが中心となるエネルギー分野の研究開発には2兆6000億ウォン(約2760億円)、国防科学技術の革新に向けた研究開発には3兆9000億ウォン(約4140億円)が編成された。基礎研究も14.6%増の3兆4000億ウォン(約3610億円)の規模となる。

オム・ジウォン、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1214636.html韓国語原文入力:2025-08-22 11:09
訳D.K

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