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レジェンドになった少年…トッテナムと共に歩んだソン・フンミンの10年

登録:2025-08-04 06:56 修正:2025-08-04 10:55
ソン・フンミンが5月、スペイン・ビルバオのサンマメス競技場で開かれたUEFAヨーロッパリーグ2024~2025で優勝した後、トロフィーを掲げている=トッテナム・ホットスパー球団ホームページより//ハンギョレ新聞社

 「今日だけは私もトッテナムのレジェンド」(UEFAヨーロッパリーグ2024~2025優勝直後、ソン・フンミンのインタビューより)

 ちょうど1年前「いつもウィナーになりたい」と言い、チームの優勝を誰よりも切に願ってきたイングランドプレミアリーグ(EPL)のトッテナム・ホットスパーの「キャプテン」ソン・フンミン(33)が、今夏にチームを離れることにした。 英語が苦手だった少年は、10年間誰も成し遂げられなかった優勝カップをチームにもたらし、いつの間にかチームのレジェンドになって拍手されながら旅立つ道を選んだ。

 「トッテナムの伝説」(プレミアリーグ事務局)ソン・フンミンは10年間、チームの歴史に刻まれる記録を残した。2015年、ドイツ・ブンデスリーガのレバークーゼンを離れ、移籍金2200万ポンド(約43億円)でトッテナムに入団したソン・フンミンは、10シーズン454試合に出場し、173ゴール101アシストを記録した。トッテナムの歴代ゴールで5位、最多アシスト1位の記録だ。得点方式も右足99ゴール(57%)、左足69ゴール(40%)、ヘディング5ゴール(3%)で、特有の両足での得点能力を立証した。プレミアリーグの記録だけを見ると、333試合に出場し、127ゴール(トッテナム歴代2位)と71アシスト(1位)を残した。

ソン・フンミンがイングランドプレミアリーグ2021~2022の最終38ラウンドのノーリッチ戦で、リーグ第23号ゴールを決めた後、喜んでいる=ノーリッチ/ロイター・聯合ニュース

 ソン・フンミンは2021~2022シーズンに23ゴールを決めてアジア選手初のリーグ得点王に輝き、「ゴールデンブーツ」を獲得した。これは特に、たった一つのペナルティーキックもなく、全てフィールドゴールだけの記録で、より大きな意味を残した。また、2019年12月のバーンリー戦で70メートルの単独突破でゴールを決め、韓国人初の国際サッカー連盟(FIFA)プスカシュ賞を受賞した。

 ソン・フンミンはトッテナムで念願の優勝も果たした。キャプテンとしてヨーロッパリーグ2024〜2025でチームを優勝に導いた。トッテナムのレジェンドと呼ばれるギャラス・ベール、ハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン)も果たせなかった偉業だった。プロデビュー以後、キャリア15年目にして初めて掲げた優勝カップであり、チームにも17年ぶりに獲得した優勝トロフィーだった。「ソン・フンミンはトッテナム現代史において最高の選手として、ケインを越えるかもしれない」(ザ・アスレティック)など、彼に向けた現地メディアの好評も続いた。

ソン・フンミンが5月、スペイン・ビルバオのサンマメス競技場で開かれたUEFAヨーロッパリーグ2024~2025で優勝した後、トロフィーを掲げている=トッテナム球団のソーシャルメディアよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 「あまり英語がしゃべれなかった少年が、大人の男性になって、(チームに)別れを告げることになった」という彼の言葉のように、チームと共に成長したソン・フンミンは常に仲間たちと一緒だった。中でも最高に相性が良かったのは「ソン-ケ(イン)デュオ」の主人公、ケインだ。ソン・フンミンはケインと8シーズン、リーグ史上最も多い47ゴールを生み出した。マウリシオ・ポチェッティーノ監督時代の「DESKライン」(デリー・アリ、クリスチャン・エリクセン、ソン・フンミン、ケイン)も欠かせない。ソン・フンミンは彼らと共にリーグ最高の攻撃力を誇り、チームの全盛期を導いた。

 ソン・フンミンは2023年からチームのキャプテンを務め、副キャプテンのクリスティアン・ロメロ、ジェームズ・マディソンとチームを2年間率いた。ソン・フンミンはチームの規律はもちろん、特有の親和力でロッカールームと練習場で和気あいあいとした雰囲気で団結を導いた。特にマディソンとは厚い友情で知られた。

2023年にチームの新しいキャプテンになったソン・フンミンが、独自のゴールパフォーマンス「カメラセレブレーション」のポーズを取っている=トッテナム球団のホームページより//ハンギョレ新聞社

 10年間にわたり競技場の内外でソン・フンミンを守ってきた「親友」ベン・デイビスの存在も欠かせない。ソン・フンミンはデイビスを「家族のような存在であり、最も信頼できる人」だと語るほど信頼が厚く、デイビスの息子、ラルフのゴッドファーザーでもある。デイビスは「長年の同僚であり友人が去ることに失望したが、それでも(私の決定を)尊重してくれた」とソン・フンミンは伝えた。

 ドイツとイングランドに次ぐソン・フンミンの新天地は米国が有力視されている。海外メディアなどは米大リーグサッカー(MLS)のLAFC行きを予想している。英国メディア「フットボール・インサイダー」はソン・フンミンのファンダムで発生する収益が1シーズン当たり4000万〜6000万ポンド(78億〜117億円)に達すると推算した。

ソン・ヒョンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1211351.html韓国語原文入力:2025-08-03 21:28
訳H.J

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