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「尹大統領の妻の執事」4月に逃亡とみられる出国…特検、旅券無効化し捜査に着手

登録:2025-07-10 00:01 修正:2025-07-10 09:12
資本を食いつぶしていたレンタカー会社への数十億投資誘致疑惑
尹錫悦前大統領の妻のキム・ゴンヒ女史が先月3日、ソウル瑞草区の円明小学校に設けられた瑞草区第3投票所で、投票するために並んでいる=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領夫人のキム・ゴンヒ女史に関する疑惑を捜査しているミン・ジュンギ特別検察官チームは、いわゆる「キム・ゴンヒの執事」と呼ばれるK氏が設立したベンチャー企業が大企業から数十億ウォンの投資を受ける過程にキム女史が関与していたという疑惑を捜査している。

 ムン・ホンジュ特検補は9日のブリーフィングで、「先月(の特検の)準備期間中、コバナコンテンツ協賛疑惑に関する内偵を進めていたところ、俗称(キム女史の)『執事』と呼ばれていたK氏が今年4月に出国して帰国していないことと、事務所および家族の住居を移転していたことを確認した」として、「海外逃亡および証拠隠滅の状況があるとみられるため、迅速な捜査が必要だと判断し、最近捜査に着手した」と明かした。特検チームはK氏のパスポートを無効とする計画で、入国時の通報措置も申請する方針だ。

 K氏が設立したIMSは、尹錫悦政権時代の2023年1月までは資本を食いつぶしている状態だったが、ある時点から様々な大企業や投資会社から巨額の投資を受けていた。特検は、これらの投資企業が財務構造の不安定なIMSに思い切った投資をした背景には、キム女史の影響力を背景にしたK氏を通じて自社の懸案を解決しようとの期待があったとみている。実際にK氏はキム女史の母親であるチェ・ウンスン氏の銀行残高証明書の偽造に加担して有罪を言い渡されるなど、事実上キム女史の家族をそばで助ける執事役を務めてきたからだ。

 特検チームはK氏に対する捜査への着手の背景について、「先月の捜査準備期間中に、コバナコンテンツ協賛に名を連ねたため捜査対象となった人たちがレンタカー関連会社を設立後、ドイツモーターズから恩恵を受けていたという疑惑、オーナーリスクがあるとみられる大企業や金融企業から理解しがたい巨額の資金を投資の名目で受け取っていたという疑惑について、内偵を進めてきた」と説明した。K氏の会社に投資した企業はカカオモビリティー、HS暁星グループの系列会社など。

 ただし特検チームは、この事件に関する家宅捜索令状を裁判所に請求したものの、特検法の捜査対象ではないとの理由で棄却されたと明かした。ムン特検補は「特検法の規定を総合すると、この事件は特検の捜査対象で間違いない」として、「資料の任意提出など、強制捜査ではないやり方でさらに捜査をおこなってから、(裁判所に)十分に疎明して強制捜査も行う予定」だと説明した。そして「事件の関係者や関連会社の携帯電話の変更、資料削除などの証拠隠滅行為が発見された場合、厳正に対処する」と強調した。

 特検チームは、投資会社などの資料を確保してから、家宅捜索令状を再請求する方針だ。ムン特検補は「企業を通じて不当な利益を取得した疑いについて、いかなる疑惑も残らないよう徹底して実体を究明する」と述べた。

ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1207103.html韓国語原文入力:2025-07-09 16:41
訳D.K

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