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北への無人機浸透疑惑「尹錫悦には量刑が死刑のみの『違法戦闘開始罪』が適用できる」

登録:2025-07-08 00:07 修正:2025-07-08 07:58
プ・スンチャン議員がラジオ番組で 
「外患誘致罪より刑罰重い」
尹錫悦前大統領が5日、内乱特検による取り調べを終え、ソウル高検を出ていくところ。右は昨年10月に北朝鮮が「韓国から送られてきた無人機」だとして公開した写真/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が軍事的緊張を誘発するために北朝鮮に無人機を送って攻撃を誘導したという疑惑について、共に民主党のプ・スンチャン議員は「軍刑法上、違法戦闘開始罪が適用できる」として、「この罪は(量刑が)死刑だけがある」と強調した。

 国会国防委員会の民主党幹事を務めるプ議員は、7日のCBSラジオの番組「キム・ヒョンジョンのニュースショー」でのインタビューで、「軍刑法には違法戦闘開始罪がある。指揮官が正当な理由なく他国や相手国との戦争を開始したという容疑」だとして、「違法戦闘開始は(量刑は)死刑だけがある」と述べた。軍刑法18条(違法戦闘開始)は「指揮官が正当な理由なく外国に対して戦闘を開始した場合は、死刑に処す」と規定している。

 内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームはすでに、昨年10~11月の「平壌(ピョンヤン)への無人機浸透は尹錫悦前大統領の指示だと聞いた」との軍の現役将校の証言を録音した音声ファイルを確保している。音声ファイルには「Vの指示だ。国防部、合同参謀本部に知られないようにやらなければならない」、「VIP(大統領)と長官は北朝鮮が発表して拍手しながら喜んだ」、「とても喜んで(ドローン作戦)司令官がまたやれと言った」との証言が録音されている。

北朝鮮が「墜落した無人機」として発表した写真/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 この事件については、尹前大統領が12・3非常戒厳の大義名分を作るために平壌への無人機投入を指示したという疑惑が提起されていた。昨年10月11日、北朝鮮は「大韓民国から送られてきた無人機が3回にわたって平壌に浸透し、ビラを散布した」と発表しているが、韓国軍は「(事実かどうかは)確認することはできない」と述べている。

 特検チームは今月1日、ドローン作戦司令部に無人機を納入した国防科学研究所航空技術研究院に所属する研究員に事情聴取をおこなった。パク・チヨン特検補は4日、「すでにかなりの数の軍の関係者に事情聴取が行われた」と述べている。

 当初は、特検チームがこの事件について外患容疑を適用して拘束令状の請求理由に記すのではないかと予想されていたが、6日に請求された拘束令状には記されなかった。このことについてプ議員は「外患容疑は論争が生じる点がある」として「憲法上、外国との『共謀』だが、北朝鮮が外国なのかについては論争があり、共謀したが北朝鮮が応じてくれたかを立証するのは容易ではない」と語った。

 プ議員は、代わりに「違法戦闘開始罪」が適用される可能性があるとして、「これの方が外患誘致より刑罰が恐ろしい」と述べた。刑法上、外患誘致罪には死刑または無期懲役が科されうるが、軍刑法上の違法戦闘開始罪に科されるのは死刑のみ。プ議員は「大統領は軍の統帥権者」だとして、違法戦闘開始罪が適用できると述べた。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1206696.html韓国語原文入力:2025-07-07 17:06
訳D.K

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