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韓国の教育相候補に「地域にソウル大学10校作り」提案したイ・ジンスク氏

登録:2025-06-30 07:52 修正:2025-06-30 09:34
拠点国立大学初の女性総長 
国民推薦制で推薦多数
29日に副首相兼教育部長官候補に指名されたイ・ジンスク前忠南大学総長=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 副首相兼教育部長官候補に指名されたイ・ジンスク前忠南大学総長(65)は、李在明(イ・ジェミョン)大統領の「ソウル大学10校作り」公約の提案者の一人だ。先の大統領選挙では、李在明候補陣営で活動している。歴代の教育部長官の中では珍しい理工系の専攻者でもある。幼小中教育の専門性が足りないことが弱点だ。全国教職員労働組合は「徹底した検証が必要な人物」だと主張している。

 カン・フンシク大統領秘書室長は29日、「(イ候補は)忠南大学出身で母校の初の女性総長を務めた方で、忠南大学工学部長や大統領直属の国家科学技術諮問会議の委員として活動してきた。先の大統領選挙では、大統領の公約である『ソウル大学10校作り』の推進委員長を務めた」と述べた。さらに「イ候補は国民推薦制で多数の推薦があった人物であり、『学生代表を務めていた際に総長の力量と人柄を近くで学んだ』という推薦理由があった」と補足した。

 大田(テジョン)生まれのイ候補は、忠南大学建築工学教育科を卒業し、日本の東京工業大学で建築環境計画を専攻して博士号を取得。歴代の61人の教育部長官のうち、理工系の出身者は4人しかいない。1989年から忠南大学教授を務め、2019年には忠南大学初の直選制総長選挙で当選し、2020年2月から4年間総長を務めた。

 イ候補は今回の大統領選挙で、共に民主党中央選挙対策委員会の「ソウル大学10校作り推進委員会」の委員長を務めた。ソウル大学10校作り政策は、韓国全国にある10校の地域拠点国立大学(各地域にある国立大学)すべてをソウル大学に準ずる水準に育成し、国の均衡発展と高等教育改革を実現するという構想だ。イ候補は先月29日に選対委に合流した際、「ソウル大学10校作り構想は、昔から拠点国立大学と市・道の教育監が一緒に推進していたアイデアだった。それを先月に陣営に提案し、李在明候補側に積極的に受け入れられた」と述べている。

 教育界では、高等教育界でリーダーシップを発揮してきた女性であるというイ候補の珍しい履歴が起用の主な背景だとみられている。イ候補は拠点国立大で初の女性総長であり、2023年には全国40の国公立大学の総長が参加する全国国公立大学総長協議会の会長と韓国大学教育協議会の副会長を務めている。

 幼児教育と小中等教育に対するイ候補の専門性の不足を批判する声もあがっている。全教組は論評で「(教育部長官は)幼小中教育を含む公教育全体に責任を負う地位であり、政治的象徴以上の教育哲学と教育現場に対する理解が必要だ」とし、「徹底した検証が必要な人事」だと述べた。

イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1205305.html韓国語原文入力:2025-06-29 17:44
訳D.K

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