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韓国2大政党の大統領候補「分権型改憲」の約束、新政権では実現するか

登録:2025-05-20 06:35 修正:2025-05-20 10:25
イ・ジェミョン候補、権力構造再編に強い意志 
民主党「新政権発足すれば改憲案を議論」 
キム・ムンス候補「改憲協約を結ぼう」
共に民主党のイ・ジェミョン大統領選候補が19日、ソウル龍山区の白凡金九墓域を参拝している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の第21代大統領選挙を控え、2大政党の大統領候補が4年任期の再任・重任可能な大統領制度への改憲をそれぞれ約束したことで、2週間後に誕生する新政権で改憲が実現するかに関心が集まっている。改憲はこれまで多くの大統領選候補が必要性を認めて約束したが、両党の利害関係の不一致で、政権獲得後には実行を伴わない場合が多かった。今回は支持率1位を走る最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補の改憲の意志が強いうえ、野党も「分権型改憲」が必要だという考えを重ねて示しており、38年前の「87年体制」を清算する可能性もいつにも増して高いとみられている。

 「共に民主党」中央選挙対策委員会のチョ・スンレ公報団長は19日のブリーフィングで、「改憲に関して、どのような手続きを踏むかは新政権が発足してから国会と協力して設計しなければならない」とし、「任期内に必ず改憲を実現するというイ・ジェミョン候補と民主党の確固たる意志を昨日申し上げた。新政権が発足すれば、各政治勢力の改憲案を持って議論を進めたい」と述べた。任期4年の再任可能な大統領制度や決選投票制の導入などを盛り込んだイ候補の改憲案に対し、与党「国民の力」のキム・ムンス候補が18日、「次期大統領の任期短縮および任期4年の重任制の導入」を含む改憲協約を結ぼうと提案したことに対する答弁だ。ひとまず、大統領選挙で国民の選択を受けた後、公約履行の手続きを踏もうという意味だ。

国民の力のキム・ムンス大統領選候補と改革新党のイ・ジュンソク大統領選候補が19日午前、ソウル市庁で開かれた「弱者と同行するソウル討論会」に出席している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 実際、イ・ジェミョン候補は権力構造改編のための改憲への意志は強いと知られている。次期政権が発足すれば、改憲が主要な議題になる可能性が高いといわれるのもそのためだ。今年4月、ウ・ウォンシク国会議長が「大統領選挙前に改憲案をまとめ、6月3日の大統領選挙で国民投票に付そう」と提案した時も、イ候補は指導部の議員たちに「改憲しなければ歴史的に非難されることになる。韓国の大統領は再評価を受ける機会がないため、就任直後から下り坂を辿ることになる」とし、任期4年の再任制への改憲の必要性を強調したという。内乱の終息に集中してほしいという支持層の世論が強かったため改憲カードを留保しただけで、任期中の改憲に向けた意志は強いという。

 問題は改憲に至る政治的合意が容易ではないことにある。2017年5月に改憲を約束して当選した文在寅(ムン・ジェイン)前大統領も、翌年6月の地方選挙で、改憲に向けた国民投票を実施するために国民憲法諮問特別委員会を立ち上げ、任期4年の再任制を含む政府改憲案まで出すなど、改憲に必要な準備を整えたが、当時野党の「国民の力」の反対で改憲定足数(200人)に満たず失敗した。国民の力が独自の改憲案に入れた「次期大統領の任期を3年に短縮」を改憲交渉の前提条件に掲げた場合、政権に就く可能性が高い民主党とイ・ジェミョン候補としては、これを受け入れるのは難しい。早くも国民の力はイ・ジェミョン候補の改憲案が「権力を分けることではなく、立法権力を議会の多数党へと集中させるための設計」だと攻撃している。

オム・ジウォン、キム・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1198287.html韓国語原文入力:2025-05-19 21:11
訳H.J

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