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韓国憲法裁、民主党の推進する「裁判訴願法」賛成…最高裁は反対

登録:2025-05-17 00:28 修正:2025-05-17 08:05
憲法裁判所/聯合ニュース

 韓国の憲法裁判所は、野党「共に民主党」の推進する「裁判訴願」導入法案に賛成することを趣旨とする意見を国会に提出した。

 16日、法曹界への取材を総合したところ、憲法裁は先日共に民主党のチョン・ジノク議員が代表発議した憲法裁判所法改正案について、「国民の充実した基本権の保護のために、改正案の趣旨に共感する」とする意見書を国会法制司法委員会法案審査小委に提出した。

 改正案は、憲法裁法68条1項の「憲法上保障されている基本権を侵害された者は、裁判所の裁判を除いて憲法訴願審判を請求できる」という文から、「裁判所の裁判を除いて」との文言が削除されている。裁判所による裁判を憲法裁判所による違憲審査の対象とする「裁判訴願」を可能にするものだ。

 憲法裁は意見書で、海外でもドイツ、台湾、スペイン、チェコ、トルコなどが裁判訴願を認めていることを例にあげているという。また、憲法訴願の乱発を防ぐため、裁判訴願の対象は判決が確定した事件に限定するとともに、再審や差し戻し審などの後続手続きを法に明示すべきだとの意見も補足している。

 パク・ハンチョル憲法裁判所長時代の2013年にも、憲法裁は裁判訴願の導入に積極的に賛成する見解を明らかにしている。その際、憲法裁は国会に提出した意見書で、「立法や行政の作用で基本権が侵害された人とは異なり、裁判などの司法作用によって基本権が侵害された人に基本権救済の空白が発生しているのは平等原則違反だ、などの批判があった」と主張している。

 一方、当時の最高裁は「裁判訴願などを認めれば、憲法裁が最高裁の上位に立つなど、事実上四審制に変わることになる。これは両機関の権限を明確に分けた憲法に反する」と反論している。チョン・デヨプ裁判所事務総長(最高裁判事)は今月14日の国会法司委に出席し、このことについて「現行憲法上、許されないものと解釈されるため、憲法の規定に反する」と反対意見を表明している。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1197844.html韓国語原文入力:2025-05-16 15:36
訳D.K

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