非常戒厳時に国会に出動したクァク・チョングン前陸軍特殊戦司令官は14日、獄中から声明を発表した。声明では「民主党に利用されたとか、懐柔されたなどとは思わない」と明らかにした。これまでの証言は、部下を保護し、真実を明らかにすることが目的だったということだ。
クァク前司令官は、昨年12月5日に「キム・ヨンヒョン前国防部長官から盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)で電話がかかってきて、『秘話フォンは録音されない。堂々と話せ』と言われ、自首書作成の必要性」を感じたと声明で明かした。非常戒厳時の状況は録音されていないから事実を隠すようにという趣旨の話をキム前長官がしていると思い、真実を明らかにすることを決意した、と解釈される。クァク前司令官は昨年12月9日に検察に自首書を提出している。
クァク前司令官はまた、「12月5日夕方のニュースなどの報道事項を視聴していたら、このままでは私の指示で出動した部隊員全員に司法的措置が取られうるという危機感」を抱いたとして、「実際に証言してこそ彼らを守れると考えた」と述べた。
共に民主党のキム・ビョンジュ、パク・ソンウォン両議員とのインタビューについても、当初は国会国防委員会で証言しようと考えていたが、昨年12月5日の委員会が取り消されたうえ、「翌日に特殊戦司令官の職務が停止されるということを知ったため、少なくとも特殊戦司令官の職責を維持した状態で、12・3非常戒厳時の状況を事実通りに一部でも説明しないと、作戦に投入された部下は守れないと考え、インタビューに応じた」と明かした。
クァク前司令官は「私の考えのまとめ」という項目で、「いちばんの本質は、12・3当時の非常戒厳の状況と事実を正確に明らかにすることだと考える。私が申し上げた大統領の2回目の通話時に指示された事項はそのままだ。私はこれを修正したり、撤回したりする考えは一切ない」と記している。クァク前司令官は今月6日に行われた尹錫悦大統領の弾劾審判の弁論に証人として出廷し、昨年12月4日午前0時30分ごろに尹大統領から電話がきて「まだ議決定足数が満たされていないようだ。はやく国会のドアを壊して入っていって、中にいる人員を引きずり出せ」と指示されたと証言した。これに対して尹大統領は、自分は「人員」という言葉は使わないと反論したが、尹大統領が弾劾審判ではもちろん、過去にも人員という単語を使っていたことがすぐに明らかになっている。
クァク前司令官は「本質を曖昧にするための様々な考え、話がありうるが、その本質は変わらない」、「(それこそ)私が自首書を書いた理由と目的でもある」と強調しつつ、声明を結んでいる。