与党「国民の力」のクォン・ヨンセ非常対策委員長は、国民の間に不正選挙に対する懸念が存在することを理由にあげ、選挙制度の整備が必要だと主張した。国民の力では、議員の一部が極右ユーチューバーの不正選挙陰謀論に同調する発言をおこなったことはあるが、党は公式には不正選挙主張とは一線を画してきた。
クォン委員長は6日に国会でおこなった記者懇談会で、「現在のシステムに対して国民が疑問を持たないよう、投票の手続きや方法、投票制度を再検討する必要があるのではないか」と語った。「国民が疑問を持たないように」という大義名分を掲げてはいるが、事実上、不正選挙主張に便乗して制度変更の必要性に言及したのだ。同党のパク・スミン議員が「不正選挙問題解消特別法」を推進していることについても、「選挙に不正行為があったという世論が強く、不正行為を懸念する方も多いため、選挙制度そのものを整備する必要があるのではないかという趣旨だと認識している」とし、「十分に検討するに値する」と支持する考えを示した。パク議員は「特別点検委員会」を設置し、最近5年間に実施された大統領選挙、国会議員選挙、地方議会議員および地方自治体首長選挙の投・開票システムを点検する特別法を推進している。
クォン委員長はまた、不正選挙論者たちが廃止を要求している事前投票についても、「選挙(運動の開始から投票日まで)は2週間ほどだが、事前投票をすることになると、10日以内にその方々に対して選挙運動をしなければならない。果たして有権者が深みのある決定をしうる十分な期間なのか疑問がある」と述べた。
党指導部の関係者は「不正選挙論に共感する人がかなりいる。これらの勢力を無視することはできない」と最近の党内の雰囲気を語った。