ハン・ドクス大統領権限代行兼首相に対する国会の弾劾訴追案が27日、国会で可決された。大統領権限代行に対する弾劾訴追は憲政史上初めて。
国会はこの日午後3時に本会議を開き、「共に民主党」など野党6党が26日に発議した「首相(ハン・ドクス)弾劾訴追案」を在席議員192人中賛成192票で可決した。投票は国会法によって無記名で行われた。
ウ・ウォンシク国会議長は弾劾訴追案の投票に先立ち、ハン代行弾劾案の可決定足数の基準は151議席以上だと明らかにした。ウ議長は「この案件は首相ハン・ドクスに対する弾劾訴追案」だとし、「したがって、憲法第65条2項により在籍議員過半数の賛成で議決することを申し上げる」と述べた。さらに「この案件の議決定足数をめぐり一部で意見の相違があるが、国会の弾劾訴追の議決は『職の罷免』を要求するものであり、この案件の弾劾訴追の対象者は憲法によって大統領の権限を代わりに行使する首相である」と指摘した。また「憲法は大統領に対してのみ議決定足数を加重するよう定めている」とも述べた。
ハン代行弾劾案の「否決」を党方針に定めた与党「国民の力」は、投票に参加せず議長席前に集まり、「議長は辞任せよ」、「職権乱用」、「根本的に無効」などのスローガンを叫びながら、激しく抗議した。党方針に反対したチョ・ギョンテ議員だけが唯一表決に参加し、賛成票を投じた。
ハン代行の弾劾事由としては「(尹大統領夫人)キム・ゴンヒ特検法」と「(殉職海兵隊員)C上等兵特検法」の拒否▽非常戒厳内乱行為の共謀・黙認・幇助▽ハン・ドンフン(前与党代表)とハン・ドクスの共同国政運営体制▽内乱常設特別検察官の任命回避▽憲法裁判官の任命拒否の5つがあげられた。前の3つは首相職務の執行中に、残りの2つは大統領職務の執行中に発生した弾劾事由。
弾劾案の可決で権限代行の職務は停止され、チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官が権限代行を引き受けることになる。