本文に移動

尹大統領の「激怒スイッチ」…国務会議中にいきなり出て行き「戒厳宣布」

登録:2024-12-12 00:55 修正:2024-12-12 07:58
尹錫悦大統領が3日夜、緊急の国民向け談話を発表している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 12・3内乱の首魁(しゅかい)と目される尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、3日夜の国務会議の途中で黙って出て行き、その1分後にすぐさま生中継で非常戒厳を宣布していたことが分かった。戒厳宣布を議論したという国務会議も、待機時間などを含めてわずか5分に過ぎなかった。急に呼ばれて出席した国務委員たちが、経済や外国からの信用度などを理由に戒厳に消極的な態度を取ったことから、尹大統領は特有の「激怒」状態で全国民に対して非常戒厳を宣布したわけだ。

 行政安全部は、非常戒厳の宣布および解除についての国務会議に関する大統領室からの回答結果を、11日午後に公開した。

 回答によると、非常戒厳宣布の直前の国務会議は3日午後10時17分に開始され、わずか5分後の夜10時22分に終了したという。会場は大統領室の大接見室。接見室は大統領室の2階にある。

 行安部は大統領室から、国務会議での発言をまとめた資料はないとの回答を受け取ったという。形式は国務会議だが、国務会議で当然作成すべき議事録もないということだ。

 ただし、ハン・ドクス首相は11日の国会本会議で、「国務委員は全員、戒厳宣布に反対した」と主張した。積極的に尹大統領を止めたわけではないものの、経済に与える衝撃や外国からの信用度の下落などを懸念して、憂慮を表明したとみられる。

 戒厳宣布時にはすでに逮捕対象者まで決めていた尹大統領は、国務委員が憂慮を示したことで、特有の「激怒スイッチ」が入ったとみられる。尹大統領は2階の接見室を出て行き、生中継用のカメラが待機している大統領室1階のブリーフィングルームに直ちに向かった。

 わずか1分後の午後10時23分。赤く上気した顔の尹大統領がブリーフィングルームに入ってきた。尹大統領が席につくと、誰も入って来られないようにブリーフィングルームのドアは固く閉ざされた。

 同日の国務会議に出席したソン・ミリョン農林畜産食品部長官は11日の国会本会議で、「会議終了宣言もせずに大統領はすぐに出て行った。座っていた人たちが(大統領は)どこに行ったのかと言っている状態で、(大統領の)肉声が流れた」と語った。

 興奮した声で野党などを「犯罪者集団の巣窟」、「怪物」、「破廉恥な従北反国家勢力」と強く非難していた尹大統領の口から、「非常戒厳を宣布する」という言葉が飛び出した。これが12・3内乱のはじまりであり、激怒は尹大統領の没落を招いた。

キム・ナミル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1172487.html韓国語原文入力:2024-12-11 18:08
訳D.K

関連記事