12・3内乱事態で恐怖と不安に怯えた韓国国民が、内乱罪被疑者の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対し精神的損害賠償訴訟を起こす。
「尹錫悦内乱行為に対する慰謝料請求訴訟準備会」は10日、尹大統領を相手に慰謝料を請求する訴訟に乗り出すと発表した。
今回の訴訟はイ・グムギュ弁護士の提案で企画された。イ弁護士は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾訴追当時、国会側の代理人を担った。全斗煥(チョン・ドゥファン)回顧録をめぐる民事及び刑事訴訟の被害者代理人を務めたキム・ジョンホ弁護士も、共同提案者として今回の訴訟を共に進める。
19歳以上の大韓民国の国民なら誰でも原告として訴訟に参加できる。訴訟着手金と弁護士費用は無料だが、勝訴金は公益団体に寄付される。訴訟は次数別に進められるが、原告105人の募集を目標にした1次訴訟はすでに締め切られた。慰謝料請求額は1次訴訟の場合10万ウォン(約1万500円)、2次訴訟は1万ウォン(約1050円)に策定された。
イ弁護士はこの日、ハンギョレとの電話インタビューで、「2次訴訟にすでに2200人が申し込んだ」とし、「(原告団が大規模で)現実的に私たちだけでは難しいため、全国の多くの弁護士が2次、3次、4次訴訟を引き受けて欲しい」と語った。さらに「被害に遭った当の大韓民国の国民は何もできることがないので、これでもしなければという思いから提案した」と話した。イ弁護士は同日、1次訴訟の訴状を裁判所に提出する予定だと述べた。
イ弁護士は、原告募集のための共有文書に「尹大統領は、反憲法的な非常戒厳宣布と内乱罪を犯したことで、国民の生命権と自由および人間の尊厳性を保障しなければならない大統領の重大な責務を放棄し、国民を恐怖と不安に怯えさせ、不便とかけたうえで、自己肯定感を低下させ、羞恥心を抱かせた」と記した。
さらに「大韓民国の国民一人ひとりは憲法が保障する国民主権および代議民主主義の原理に基づく憲法機関構成権を侵害されたことはもちろん、生命と身体の脅威を受けており、ひいては民主主義を勝ち取り、成熟した民主国家と社会を成し遂げた主人である市民として享受してきた自尊感情が一気に崩れ、国際社会に恥をさらす侮辱に耐えざるを得なくなった」と述べた。
さらに、「(尹大統領に対する)弾劾と内乱罪捜査とは別に、大韓民国の国民として受けた心の傷に対する適切な賠償は必ず受けなければならない」と付け加えた。
イ弁護士は最後に「全国のすべての裁判所で尹錫悦に対する慰謝料請求訴訟が野火のように広がり、憲法・刑法上の責任はもちろん、民事上の責任まで負わせ、国民を相手に銃口を向けた人は誰でも必ず身を滅ぼすことを示し、韓国の憲政史で誰も二度とこのような反憲法的な行為を試みることさえできないようにすべきだ」と強調した。