原文入力:2010-06-09午後08:15:12(1738字)
基調変化せずに心理戦・対潜水艦訓練など速度調節だけ
専門家たち "火薬庫にしないためには出口戦略を悩むべき"
ソン・ウォンジェ記者,クォン・ヒョクチョル記者,キム・ギョンホ記者
←ユン・ジュンヒョン企画財政部長官(一番前)とイ・クィナム法務部長官(左側),キム・テヨン国防部長官(右側)等が9日午前、国会本会議でキム・ムソン ハンナラ党院内代表の交渉団体代表演説を聞いている。キム・ギョンホ記者 jijae@hani.co.kr
[ブレーキかかったMB政府]⑥与党の敗北で終わった6・2地方選挙以後にも政府は‘対北韓政策基調は決して変えない’という態度だ。ただし先月24日に発表した‘天安艦対北韓措置’の核心である軍事的措置の実行については「状況を見なければならない」とし一歩退いた雰囲気だ。南側の強硬対応が北側の反発を招き‘戦争’危機につながることは絶対に容認できないという選挙民心を意識した部分的速度調節と解説される。
選挙結果と対北韓政策の相関関係に対する政府の基本態度は、去る4日の統一部高位当局者の発言に端的にあらわれている。この高位当局者は記者懇談会で「地方選挙の与党敗北で‘天安艦対北韓措置’に変化があるか」という質問に「地方選挙と動いている状況とは連係させて考えてはいない」と一蹴した。彼は「5月24日発表措置は遅滞なく進行しており、今後もそのような基調で持っていく」としつつ「すでにとった対北韓措置の期間を今考える段階ではない」と強調した。
実際、政府の交易・交流中断方針は 「北韓より我々が先に死にそうだ」という企業の叫びにも明確な緩和のそぶりはない。統一部は9日天安艦対北韓措置以後、初めて民間団体の対北韓粉ミルク支援2件(計4億ウォン規模)を承認したが、幼児など脆弱階層に限り支援を継続するという既存方針に従ったものだと明らかにした。北側に苦痛を与え屈服させるという既存の強硬報復対応基調から全く動揺していないということだ。
ただし一部の行動では基調変化とまでは言えなくとも政府の‘状況伺い’が感知される。特に軍事的緊張を高めかねない対北韓心理戦と西海韓-米連合対潜水艦訓練などの措置は実行時期と規模を巡る悩みが長期化している。国防部当局者は9日、心理戦と関連して「対北韓ビラ印刷など散布準備を終わらせ、対北韓拡声器も11日までには軍事境界線近隣10ヶ所余りに設置し放送準備を終わらせる」としながらも「ビラ散布と拡声器放送の時期は北韓の態度と国連安全保障理事会など国際社会の動きを考慮し適切な時点を決めるだろう」と話した。5・24発表後、16日が過ぎたが心理戦再開時点も確定できずにいるということだ。
今月20日前後に予定された西海韓-米連合訓練も米国航空母艦参加有無が流動的だと国防部当局者は明らかにした。この訓練は当初、今週に予定されていたが延期になった経緯がある。西海連合訓練は中国の反発まで重なり天安艦対応のための国際的共助にも悪影響を与えているという指摘を受けている。
問題は政府が対北韓制裁を持続しながら軍事措置については実行でも留保でもない不明瞭な態度が継続する場合だ。南北間の‘緩衝地帯’となってきた交易・交流遮断が長期化し軍事的緊張管理はより一層難しくなりかねない。韓半島がいつまた火を吹くるかも知れない‘火薬庫’立場に戻ることを避けるには、今から対北韓政策にも本格的な出口戦略を考えなければならないという指摘が出ている。
コ・ユファン東国大教授は「強硬一辺倒の対北韓政策は北韓の反発で経済に歪みを与えるのはもちろん、周辺国との外交的衝突と北韓の核能力強化につながる」とし「大統領府が変わらなければ与党ででも先に世論の動向を捕らえ変化を追求する必要がある」と話した。 <終わり>
ソン・ウォンジェ、クォン・ヒョクチョル記者 wonje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/424882.html 訳J.S