本文に移動

「北朝鮮軍40人死亡」は偽情報…韓国政府「ウクライナの発表を信じるな」

登録:2024-11-06 06:00 修正:2024-11-06 07:05
北朝鮮が建軍記念日(人民軍創立日)75周年となる昨年2月8日、平壌の金日成広場で軍事パレードを開催している/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 「北朝鮮軍は戦闘を行っていないのに、どうして死者が出てくるのか」

 「北朝鮮軍40人がウクライナで死亡」という4日夜の報道について、情報関係者が5日に示した反応だ。「北朝鮮軍交戦、40人死亡」の記事が韓国内で報道されたのは4日夜のこと。その日午後、ウクライナ国家安全保障・国防委員会傘下の虚偽情報対策センターの責任者であるアンドリー・コバレンコ氏が「北朝鮮軍がクルスク州で初めて攻撃を受けた」という短い文章をSNSのテレグラムに投稿した後、ウクライナの大統領府高官がある国内メディアに北朝鮮軍の交戦開始と死者の発生を主張した直後だ。

 注目すべき点は、この報道がウクライナ政府の偽情報対策センターの責任者のテレグラムで始まったという事実だ。偽情報(disinformation)は、特定の国家に否定的な影響を及ぼそうとする目的で政府機関が故意に流布する操作情報をいう。ウクライナ政府は戦争初期、「キーウの幽霊」というタイトルでウクライナ空軍の操縦士が30時間の間にロシアの戦闘機6機を撃墜させる映像を制作して流布したが、「キーウの幽霊」の実存は確認されなかった。

 状況がこうであるため、韓国側の情報関係者たちも、北朝鮮軍派兵に関するウクライナ発のニュースはまずは疑ってみている。情報当局者が「ウクライナ政府レベルでフェイクニュースを作るため、(北朝鮮軍のニュースは)公式発表前までは信じてはならない」とメディアに話すほどだ。情報の出所と広める側の意図をよく調べなければならないという意味だ。

 軍事情報を扱った経験者の説明によると、北朝鮮軍の交戦は、北朝鮮やロシア政府がこれを公式発表したときに事実と確定できる。ただし、公式発表前でも、中隊・大隊級以上が参加した戦闘が行われ北朝鮮軍の死亡の身元が確認される場合▽北朝鮮軍の捕虜を通じて交戦参加者の陳述が確保される場合▽作戦命令書・戦闘命令書・訓練計画書などの北朝鮮軍の文書が捕獲される場合▽交戦状況が含まれる北朝鮮軍の通信の盗聴が確保された場合などにも、事実の判断は可能だという。

クォン・ヒョクチョル記者、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1165967.html韓国語原文入力:2024-11-05 20:23
訳M.S

関連記事