「キム・ゴンヒ-ミョン・テギュン・ゲート」が次々と波紋を広げる中、検察がこの事件を捜査中の昌原(チャンウォン)地検に検事をさらに派遣することにした。ずさんで後手に回った捜査に対する批判が高まったことを受け、やっと捜査チームの補強に乗り出したのだが、これも機を逸した後の祭りの措置だと言わざるを得ない。
最高検察庁は5日、昌原地検捜査チームに次長検事、部長検事、検事2人の計4人を合流させた。先月17日に検事2人を派遣したことに続く追加措置だ。これで捜査チームは検事11人に増えた。検察はキム・ヨンソン前議員を3日と4日に取り調べたのに続き、中心人物のミョン・テギュン氏を8日に取り調べる予定だ。与党内からですら捜査が遅れたことを批判する声があがったことを受け、本格的な捜査の形を取っているようだ。
しかし、これまで捜査に手をこまねいていたのに、今になって慌てて捜査チームの補強に乗り出す検察の対応は、きちんと捜査する意志があるのか疑念を抱かせるものだ。昨年12月、慶尚南道選挙管理委員会がミョン氏などを告発・捜査依頼したにもかかわらず、検察は検事のいない捜査課に担当させ、9月になって刑事部に移した。7月も選挙管理委員会が捜査依頼した選挙法違反容疑については時間を引き延ばしたうえ、公訴時効満了で終結処理した。
今回のゲートは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫妻の公認介入疑惑と大統領選予備選挙における世論操作疑惑、国家産業団地請負開発および事前情報流出疑惑など、様々な方面にわたる国政壟断事件だ。現職の大統領夫妻に照準を合わせなければならない。ところが検察は3週間前、キム女史のドイツモーターズ株価操作疑惑を裏付ける多くの証拠と情況を無視し、不起訴決定を下した。このような検察が大統領夫妻と関連した事件を厳正に捜査すると、誰が信じるだろうか。野党「共に民主党」が14日、国会本会議で議決する予定の3度目の「キム・ゴンヒ特検法」には公認介入疑惑も含まれている。特検以外に捜査結果に対する国民の信頼を得る方法はない。