記事入力:2008-12-04午後02:41:24
加害者大部分が家族・隣人
執行猶予多く危険にまた露出
休養施設不足・滞留期間も短い
公共後見人制など拡大必要
チェ・ウォンヒョン記者
知的障害を持った10代青少年が自身を育てた祖父と叔父などから7年間も常習的に性暴力に遭った事件と関連して、最近清州地方法院が「被害者を世話する人が他にいない」などの理由で加害者らに執行猶予判決をしたことに対して批判世論が激しくなっている。障害女性共感など30余障害者団体は「今回の判決は私たちの社会が障害者生存権を血縁と家族に全て押し付け社会的責任を放棄している端的な姿」と批判した。
■家族にだけ任せれば‘被害再発’危険
被害者イ・某(16)嬢は現在、清州のある児童保護専門機関に滞在している。この機関は18才未満の児童・青少年だけを保護できるためイさんは高等学校を卒業する年齢になれば他の居所を探さなければならない。性暴力被害者のための休養施設に入ることができるが、そこに留まることができる期間は最長九ヶ月だ。自立を直ちに期待することも難しい。イさんは「絶対に暮らしていた所に帰らない」と言うが、状況がこうであるから本来の家庭に戻る可能性もある。被害児童を保護する権限がある児童保護専門機関さえ「加害者でない家族が被害者を連れていくと主張すれば防ぎにくいのが現実」と語る。
家族たちの元に帰れば、再び加害者の近くで性暴力の危険に露出し得るというのが問題だ。障害者である父母とともに暮らした知的障害青少年H嬢は隣の高齢男性から数年間にわたり常習的な性暴力被害を体験した。社会福祉士にこの事実が明らかになり、H嬢が休養施設に入所した。加害者は‘被害者家族と合意した’などの理由で禁固6ヶ月の刑を受けた。休養施設で九ヶ月を過ごしたH嬢が家に戻ると禁固刑を終えた加害者は相変らず隣で暮らしていた。ペ・ポクチュ障害女性共感 性暴力相談所長は「障害女性には現実的に自身の行動に対する選択が制限されている」として「加害者であった家族や隣人と一緒に暮らしていかざるを得ない場合が大部分」と指摘した。
性暴力が繰り返される事例も珍しくない。ミン・ビョンユン ソウル障害者性暴力相談所長は「実父からの性暴力を体験した障害青少年が懲役を終えて帰ってきた父親から再び性暴力被害にあったこともある」として「私たちの社会が被害者のためにした措置は9ヶ月の間休養施設に留まれるようにしたことだけ」と語った。
■社会的保護,選択肢増やさねば
したがって性暴力被害障害者をむやみに家族に任せるのでなく社会的保護体系を強化しなければならないという声が大きくなっている。性暴力加害者が家族であったり隣であったりしても考慮なく被害者を本来家庭に復帰させるならば被害が反復される結果を産むということだ。
当面は休養施設を拡大し滞留可能期間を長くすることからが緊急だ。性暴力被害を体験した障害者が留まることができる場所は全国3ヶ所で運営中の障害者性暴力休養施設だけだ。それさえも定員は30~40人水準であり最長九ヶ月の間留まることができる。障害者共同生活家庭(グループホーム)もあちこちにあるが金を出さなければならない。障害者社会福祉施設もあるが性暴力被害を体験した障害者を細心に見守る余力をそろえたところは滅多にない状態だ。
同時に各種支援制度を整えなければならないという指摘だ。ミン・ビョンユン所長は「障害者性暴力被害者を基礎生活受給者に指定するならば共同生活家庭で無料で過ごすことも可能だ」として生計補助方案を提案した。
クォン・ウンスク清州障害者性暴力相談所長は公共後見人制度の拡大を提案した。家族がなかったり家庭暴力・性暴力などで家族に保護を期待できない障害者は利害関係者ではない第三者が後見人として後援する制度だ。現在は未成年者,限定治産者などにだけ施行されている。政府も最近「成年障害者にも後見人制度を拡大する方案を推進する」と明らかにしたことがある。
ペ・ポクチュ所長は「清州地方裁判所判決被害者としては何年後に自身が極力敬遠する‘加害者のところに戻ること’でなくいったいどんな選択が可能なのか」と尋ね「被害者が最善の道を選択することができるように共同生活家庭,公共後見人制度など選択肢を多様に増やさなければならない」と主張した。
チェ・ウォンヒョン記者circle@hani.co.kr
原文: 訳J.S