野党「共に民主党」は25日、国会本会議で「海兵隊C上等兵特検法」を再表決し、否決された場合は修正案を出すと明らかにした。与党「国民の力」で「第三者が特検候補を推薦する方式」のC上等兵特検法を提出すると表明したハン・ドンフン氏が代表に選出されたことで、民主党は「原案廃棄後の修正案交渉」を表明して圧力をかけている。C上等兵特検法は25日の本会議で否決される可能性が高いが、その後修正案の作成をめぐり、ハン代表と大統領室など与党内部、そして与野党間での交渉と駆け引きの局面に移っていくとみられる。
ウ・ウォンシク国会議長は24日の記者会見で、「C上等兵特検法が案件として提出されているため、処理すべきだ」とし、同法案を25日の本会議に上程することを明らかにした。これにより、C上等兵特検法は9日に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が再議要求権(拒否権)を行使して国会に戻されてから16日で再表決の手続きを踏むことになった。
再表決するといっても、可決される可能性は高くない。再可決には「在籍議員の過半数の出席、出席議員の3分の2以上の賛成」が必要だが、現在の野党の議席数(192人)を総動員しても「8票」足りない。国民の力は、再表決の際には反対票を投じる方針だ。
民主党は原案が否決されて廃棄されても、直ちに修正案を作成して与党の「ハン・ドンフン指導部」に圧力をかけ続ける計画だ。ブラックパールインベストメントのイ・ジョンホ前代表のイム・ソングン海兵隊第1師団長救援ロビー活動疑惑など、このところ具体化している疑惑を含めた修正案で再び圧力をかけるというわけだ。民主党の院内の主要関係者は、「新たな修正案が出てくれば、ハン・ドンフン代表にそれに対する立場表明を要求できる」とし、「修正案そのものが圧力になるだろう」と述べた。
修正案の議論では、特に「特検推薦権」をめぐる与野党の激しい神経戦が予想される。ハン・ドンフン代表は先月23日、党代表選への出馬宣言をおこなった記者会見で、野党が特検の推薦権を持つ方式には同意できないと述べつつ、「最高裁長官など第三者が推薦する方式」を提案している。また、代表当選翌日の24日にも「私の立場は変わっていない」とし、新たな特検法を党の方針とするかどうかについて「私たちは民主的手続きを守る政党であり、我が党が持つ民主的手続きを通じてそれをきちんと説明する」と語っている。
しかし、国民の力の院内指導部と大統領室はハン代表の案に否定的な考えが強いため、調整は難航が予想される。国民の力のチュ・ギョンホ院内代表はこの日、ハンギョレに「ハン代表の言及した第三者が推薦するC上等兵特検法は、現在は検討しない」と述べた。
民主党は、このような見解の相違に起因する「亀裂」につけ込もうとしている。民主党のある関係者は、「(修正案で)第三者推薦を私たちから提示し、ハン・ドンフン代表を試すこともできる」と語った。
24日に野党主導で国会法制司法委員会に同時に上程され、聴聞会と公聴会が予告されている「キム・ゴンヒ特検法」と「ハン・ドンフン特検法」も、利害が対立する国民の力内部に圧力をかける切り札となりうる。民主党は、C上等兵事件の救援ロビー疑惑の発覚と検察の「出張調査」以降、キム女史に対する否定的世論が高まっているだけに、「キム・ゴンヒ特検法」の処理を急ぐこともありうるとの立場だ。一方の「ハン・ドンフン特検法」も、ハン・ドンフン指導部と親尹錫悦系との対立状況に応じていつでも切れる切り札として取り沙汰されている。民主党はこの日、ハン代表に対して「5大要求」を提示し、公開で圧力をかけている。民主党のハン・ミンス報道担当は、C上等兵特検法とキム・ゴンヒ女史特検法の受け入れ▽尹錫悦政権による放送掌握をやめること▽国会正常化への協力▽上意下達式の政府与党関係の拒否▽野党との政策やビジョンをめぐる競争を受け入れるようハン・ドンフン代表に求めた。