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‘大統領 批判世論’ばっさり抜いて…‘庇い’越えて‘美化’

原文入力:2010-05-24午前08:56:28(2230字)
世宗市・4大河川など社会争点 反対の声はほとんど反映せず
好意的コメント・巧妙な編集‘子供を愛する’人間味を浮彫

パク・チャンソプ記者

公営放送である<韓国放送>(KBS)の李明博大統領報道の問題点は、批判失踪、過剰美化に要約できる。公営放送の存在理由である環境(権力)監視機能を疎かにし言論の基本原則である客観性と公正性を無視しているという指摘だ。

まずは無批判的な接近だ。大統領執権2年評価報道が代表的だ。‘ニュース9’は去る2月25日‘社会元老 国民的自信 最大成果あげる’リポートを通じイ大統領が主要20ヶ国(G20)首脳会議誘致、外交地平拡大など‘国家の品格向上’と‘国民的自信回復’を成し遂げたと高く評価した。世宗市論難に対する物足りなさなど一部助言を除けば多分に好意的だ。

韓国放送は盧武鉉大統領2年評価では、経済両極化を深化させ、分裂と葛藤を統合するリーダーシップを見せることができなかった(2005年2月22日‘経済両極化の明暗’、2月24日‘脱権威…葛藤’)で辛らつに批判した。2つの政権の功罪が違う側面があるとはいっても、過度に対比される報道態度だ。

韓国放送はイ大統領が2008年 韓-日首脳会談の際に日本の独島領有権を認めるような発言をしたという日本<読売新聞>報道の真偽論難と関連し 「大統領府は事実無根とし、いちいち反論した」とし、イ大統領に一方的に味方(2010年3月17日、‘日 読売 独島報道 論難…大統領府 "事実無根" ’)した。この記事で読売側の反論は見られなかった。

韓国放送はまた、世宗市、4大河川など社会的論難が大きい懸案に対する大統領発言を伝えたニュースコッチで、大部分が反対側の声を反映しなかった。

消極的な庇いを越えた積極的美化記事も多かった。アンカーの大統領に対する好意的コメント、巧妙な画面編集を通じた‘イ大統領浮彫’が目立った。非常経済対策会議が開かれた今年1月20日‘政府、正月物価・民生安定総力戦’記事で、アンカーは 「民族最大名節、正月が近づく中で政府が民生安定に腕まくり」と話を切り出した。

 "沸騰する私教育費にご両親の負担が大きいですね。李明博大統領がニューメディアで解決するという意志を明らかにしました" (今年1月20日、‘イ大統領 "ニューメディアで私教育解決" ’)  "青年名匠を育てるマイスター高等学校が野心満々開校。 李明博大統領も開校式に参加し、応援した" (今年3月2日、‘イ大統領 "21世紀は学閥より創意的専門担当者の時代" ’)等のアンカー発言も同じだ。

特に、去る3月5日‘イ大統領 "大邱にR&D特区指定" ’記事と3月24日‘イ大統領 "セマングム事業、政府積極支援" ’記事では、地域住民たちが李明博大統領を大声で連呼する場面をニュース冒頭に編集し、大統領が国民的支持を受けているという印象を強く浮き彫りにした。

昨年11月11日(イ大統領、ワクチン接種 小学校訪問)新型インフルエンザ予防接種が始まった日、韓国放送報道はソウルのある小学校を訪問したイ大統領が "もしや熱はないかと直接 生徒たちの額を触ってみる" 、 "注射されることを怖がる子供には、大統領を見てごらんと言い安心させる" として、大統領の人間味を持ち上げた。去る1月7日‘イ大統領 "非常経済体制 上半期まで維持" ’記事で、記者は "疎外階層の困難を直接見て回れる現場も頻繁に訪れた。金がなく母親と暮らしたワンルームから追い出されることになったかわいそうな事情を大統領に手紙で訴えた小学生の嘆願も解決してあげた" として、大統領の‘庶民 面倒見’を強調した。

この両懸案と関連して<文化放送>(MBC)は“大統領は生徒たちの新型インフルエンザ ワクチン接種初日をむかえ、ソウル、上岩洞のある小学校を訪問し接種状況を点検した”、“大統領は‘非常経済対策会議’ 1周年をむかえ企業家、一般庶民などと懇談会を持ち、去る1年に対する評価とともに今後の課題を点検した”と事実中心に報道した。

韓国放送‘ニュース9’は今年3月25日、障害者冬季オリンピック選手団招請記事(イ大統領“障害者冬季スポーツ、国民に希望”)では、ある視覚障害学生の祝賀公演の歌を聞き涙を拭うキム・ユンオク氏の姿をクローズアップすることもした。

この他にも韓国放送はイ大統領関連記事で“意志を示した”、“仕事をする一年を予告した”、“遺憾を表した”等の、主観的で感情移入的な表現をしばしば駆使した。

大統領持ち上げ性報道態度は、ニュース価値がさほど大きくは見えない懸案などを積極的に記事化する姿に現れもした。機内誕生日パーティー(2009年12月19日),愛分かち合いコンサート訪問(2009年10月3日),救世軍慈善鍋寄付(2009年12月16日),顕忠祠訪問(2010年4月27日)等を韓国放送は主要ニュースとして報道したが、文化放送とSBSは短信で処理したり全く扱わなかった。

パク・チャンソプ記者 cool@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/entertainment/422046.html 訳J.S