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韓国、もはや高齢者の労働は必須…「定年延長より定年廃止や再契約を」

登録:2024-05-06 19:52 修正:2024-05-07 09:19
労働研究院の政策研究報告書
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 少子高齢化の影響でもたらされる韓国社会の労働力の急激な縮小を防止する対策として、定年延長よりも企業に様々なかたちで再雇用を義務化する内容で法制度を整備すべきだ、という国策研究機関の研究結果が発表された。

 6日、韓国労働研究院のイ・スンホ研究委員などが発表した研究報告書「高齢不安定労働実態と政策対応」によれば、韓国は来年から超高齢社会への進入が予告されている中、生産人口の減少をむかえ労働力不足と潜在成長率低下を防ぐために、高齢者の労働市場参加が必須要素となる。報告書は、現在60歳の法定定年を65歳などに延ばすよりは、企業ごとのレベルで定年を60歳以上に延ばすか、あるいは完全に定年を廃止する案、または61歳から労働者と再契約する案を選択できるようにし、これを制度として義務化することを提案した。

 報告書は、定年延長のような手段は「定年制度のある事業体に勤務する正規職の賃金労働者に制限される」と指摘した。また、定年延長は非正規職の労働者や特殊雇用形態の労働者、零細自営業者のように、相対的に所得が低く貧困リスクがより大きい集団の雇用安定には直接的な影響を及ぼしにくいと分析した。昨年5月、経済活動人口調査の付加調査結果を分析した結果によれば、58~59歳の労働者のうち正規職は33.7%であり、残りの66.3%は定年制度が適用されない非正規職もしくは特殊雇用労働者、または就職していない状態だった。

 このため、60歳定年制度を運用しながらも、様々なかたちで事実上65歳まで雇用を維持できるようにする日本の事例を提示した。日本の厚生労働省が2022年に常時労働者21人以上を雇用する企業23万5875カ所を調査した資料によれば、定年を完全に廃止した企業が3.9%、定年を延長したところが25.5%、継続雇用制度を導入したところが70.6%であった。報告書は「日本の事例を参考にして企業が自主的に定年延長や定年廃止、または再雇用のような継続雇用政策を選択できるよう法制化する策を考慮すべきだ」と提案した。

チョン・ジョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1139399.html韓国語原文入力:2024-05-06 16:06
訳J.S

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