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尹大統領「国政の方向性は正しい」…総選挙で惨敗も「マイウェイ」

登録:2024-04-17 01:13 修正:2024-04-17 07:11
「最善を尽くしたが、国民が体感できる変化が不足」
16日午前、ソウル中区のソウル駅で、生放送されている国務会議での尹錫悦大統領の冒頭発言を市民が見守っている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は16日、「より低い姿勢と柔軟な態度でより多くの意思疎通を図り、私が率先して民意に耳を傾ける」と述べた。4月10日の総選挙での与党惨敗後、初めて自ら立場を表明したものだが、尹大統領はこれまでの国政運営の方向性は正しいと述べるにとどまり、具体的な刷新案は示さなかった。

 尹大統領はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で、自身が主宰した国務会議の冒頭発言でこのように述べつつ、「今回の総選挙であらわれた民意を我々全員が謙虚に受け止めなければならない」と語った。また、「国民が望む変化はどのようなものなのか、どのような道が国民と国のためのものなのか、より深く考え、模索する」として「民生(暮らしの問題)」を強調した。

 大統領室は、総選挙の結果について尹大統領が国民向け談話を発表するか記者会見を行うことも検討してきたが、国務会議の生中継を通じて考えを表明するとの結論を下した。

 しかし尹大統領は、与党の総選挙での惨敗の原因と指摘された、海兵隊C上等兵殉職事件の捜査に外圧を加えた疑いで高位公職者犯罪捜査処の捜査を受けているイ・ジョンソプ前国防部長官の駐オーストラリア大使への指名▽キム・ゴンヒ女史のブランドバッグ授受疑惑などの各種の問題や、長期化する「医政対立の解決策」などには一切言及しなかった。

 また「正しい国政の方向性を定め、これを実践するために最善を尽くしたが、国民が肌で感じられるほどの変化を作り出すには不十分だったと思う」、「就任から2年の間、国民だけを見つめて国益のための道を歩んできたが、国民の期待には及ばなかった」と述べ、国政運営の方向性と基調に変化はないと強調した。

 続けて尹大統領は、再開発・建て替え規制の緩和、空売り禁止などの国政運営の「成果」を並べつつ、「大きな枠組みでは国民のための政策だと言えど、細かい領域では不十分だったと考える。何より、困難の中にある庶民の暮らしをより細かく支えるべきだった」と述べた。また「合わせて、大韓民国の未来のための構造改革をやめることはできない」とし、「労働、教育、年金の3大改革と医療改革を継続して推進しつつ、合理的な意見はより尊重し、耳を傾ける」と述べ、従来の国政課題を引き続き推進すると強調した。

 与党の総選挙敗北後、与野党から一斉に求められている野党代表との会談や協治の強化にも、尹大統領は言及しなかった。むしろ尹大統領は「分別なき現金支援とポピュリズムで国の未来を台無しにするもの」とし、「経済的ポピュリズムは政治的集団主義や全体主義と相通ずる。だからそれは、我々の未来に照らしてみれば麻薬のようなもの」だと述べた。共に民主党のイ・ジェミョン代表が総選挙の過程で言及した「1人当たり25万ウォンの民生回復支援金」を念頭に置いたものと分析される。

 ただし尹大統領は、「政府がなしうることに責任を果たしつつ、国会とも緊密によりいっそう協力しなければならないだろう」とし、「民生安定のために必要な予算と法案は国会にきちんと説明し、より頻繁にコミュニケーションを取らなければならない」と述べた。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1136787.html韓国語原文入力:2024-04-16 11:29
訳D.K

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