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19大学の医学部の教授が本格的に辞表提出…韓国政府「改革必ず完遂」

登録:2024-03-26 08:15 修正:2024-03-27 10:36
高麗大学、蔚山大学の医学部教授が集団辞職 
患者団体「医政対立で犠牲になってもよい命ではない」
25日午前、ソウルの高麗大学安岩病院で開かれた「高麗大学医療院教授総会」で、教授たちが政府の政策に反対するスローガンを叫んでいる/聯合ニュース

 政府が専攻医に対する免許停止処分の先送りを計画する中、医学部の教授たちは25日、辞表の集団提出に突入した。政府の態度が一部変化したもかかわらず、医学部教授たちは「医学部定員拡大撤回」を要求し、計画を行動に移した。

 25日、19大学の医学部非常対策委員会が参加する全国医学部教授非常対策委員会(非対委)は、医学部増員の撤回を求めて予定通り辞表を提出すると明らかにした。非対委はこの日発表した声明で「全国的な専攻医の辞職、医学部の大量休学および留年、重症および救急患者の苦しみ、それにより研修病院の教授たちが限界状況に追い込まれ、犠牲者が出るという医療の停滞を誘発したのは政府」だとし「破局を防げなかった責任を痛感して教授職を返上し、責任を担っていた患者の診療を終えた後に研修病院と所属大学を去る」と述べた。また「医学部定員2千人増員を大学へ配分することで既成事実化する試みは、これまで破局を防ごうと努めてきた数多くの犠牲を無視し、国民の命と安全を軽く考える政府の傲慢さ」を示すものだとも述べた。

 この日午前、高麗大学と蔚山大学の医学部の教授たちは、辞表を集団提出した。高麗大学医療院傘下の3つの病院(高麗大学九老、安山、安岩病院)の専任・臨床教授非常対策委員会(非対委)はこの日の朝、総会を開き、「医学部生、専攻医とともに正しい医療政策を目指して、3月25日に辞表を提出する」と発表した。彼らは総会の終了後、あらかじめ作成してあった辞表を回収箱で回収して退場したという。高麗大学医療院非対委は政府に対し、「専攻医と医学部生に対する中傷や威嚇を直ちに止めること」と「誤った医療政策と定員拡大の推進を撤回し、(医師団体と)協議体を設置すること」を要求した。蔚山大学医学部の433人の教授も同日、辞表を提出した。同大学はソウル峨山(アサン)病院、蔚山大学病院、江陵(カンヌン)峨山病院を研修病院としている。

 前日に与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長と懇談会をおこなった全国医学部教授協議会(全医教協)も、「医学部定員増員」の撤回なしには対話は困難だと述べた。全医教協には教授協議会のない関東大学医学部を除く39の医学部教授協議会が参加している。この日、全医教協のキム・チャンス会長は記者会見を行い、「入学定員と定員配分の撤回がない限り、危機は解決できない。政府に撤回または検討の意思があるなら、すべての懸案を議論する準備はできている」とし、「教授たちの自発的な辞職と疲労の累積で、週52時間勤務による重症患者・救急患者の診療のための外来診療縮小は、本日から予定通り実施される」と述べた。

 医学部教授たちの相次ぐ辞表提出にもかかわらず、政府は2千人増員は譲歩できないとの立場を強調した。チョ・ギュホン保健福祉部長官はこの日、医師集団行動対応中央災害安全対策本部(中対本)の会議を主宰し、「27年ぶりに行われた医学部定員の拡大を基盤として、医療改革の課題(解決)を必ず完遂する」とし、「医学部増員」は譲歩しないとの意志を示した。チョ長官はまた、「全国医学部教授協議会が国民の力と懇談会を行い、政府との建設的な対話に応じる準備ができていると述べたことに対して歓迎の意を表する」とし、「関係省庁は協議のうえ医療界との対話に向けた実務作業に直ちに着手した。早期に政府と医療界が向き合って議論する場を設ける」と述べた。

 一方、患者団体は、「私たちの命は医療界と政府の対立で犠牲になってもよい取るに足らない命ではない」と訴えた。韓国白血病患友会などの9つの患者団体からなる韓国患者団体連合会は、この日発表した声明で、「患者の不安を高め、被害を拡大する医療界と政府の対立の長期化に強い遺憾を表明し、医療スタッフの早期復帰はもちろん、双方に患者中心の医療環境の構築に取り組むよう求める」と述べた。

イ・ジョンフン、チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1133697.html韓国語原文入力:2024-03-25 13:34
訳D.K

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