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北朝鮮のキム・ヨジョン副部長「日本首相が再び会談を提案」…北朝鮮と日本の駆け引き

登録:2024-03-26 06:03 修正:2024-03-26 06:55
「北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題の政治的決断」を前提に
キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長/朝鮮中央通信・聯合ニュースの資料写真

 朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長が25日、「最近も岸田(文雄)首相が別のルートを通じて、早期に朝鮮民主主義人民共和国(の金正恩)国務委員長に直接会いたいという意向を我々に伝えてきた」と述べた。

 キム部長は同日、朝鮮中央通信で発表した個人名義の「談話」で、「先月、私は日本の岸田首相が国会で朝日首脳会談の問題に意欲を示したことについて、個人的な所感を述べたことがある」とし、このように明らかにした。キム副部長の同日の談話は、2月15日の自身の談話発表後、日本側から「朝日首脳会談」の意志を伝えてきたことを公開し、確認する意味を持つ。

 キム副部長は当時発表した談話で、「日朝関係を考えると、大胆に現状を変えていかなければならない必要性を強く感じる」という岸田首相の議会発言に「留意する」とし、「首相が平壌(ピョンヤン)を訪問する日が来るかもしれない」と述べた。キム副部長は談話で、「首脳会談に乗り出そうとする心構えだけでは、不信感と誤解が積み重なった両国関係を解決できないというのが朝日関係の歴史が与える教訓」だとしたうえで、「重要なのは日本の実際の政治的決断」だと強調した。また「日本が我々の(弾道ミサイルの発射実験など)主権的権利行使に干渉しようとし、これ以上解決することも、知る由もない(日本人)拉致問題にこだわるなら、首相の構想が支持率上昇を狙ったものに過ぎないという評判を避けられなくなるだろう」とし、「日本が政治的勇断を下す必要がある」と主張した。

 朝日関係改善と関連し、日本政府は「前提条件なしに対話に出る」と強調しながらも、拉致日本人問題と核・ミサイル問題を二大懸案として掲げてきた。一方、キム副部長は2月15日の談話で「拉致問題」は「すでに解決済み」とし、「核・ミサイル問題」は「朝日関係改善とは何ら関わりのない問題」だと線を引いた。キム副部長の同日の談話も、少なくとも表面的には既存の見解を繰り返し「政治的勇断」を促す形で、ボールを日本側に渡したものとみられる。北朝鮮は岸田首相の首脳会談の推進意志について、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が1月5日、岸田首相に異例にも能登半島地震に対する「お見舞い電文」を送り、キム・ヨジョン副部長が二度の談話(2月15日、3月25日)で関心を示すなど、朝日首脳会談に向けた駆け引きを本格的に繰り広げている。

 これに対して岸田首相は同日夕方、記者団に「北朝鮮との間の諸懸案を解決するためには、金正恩委員長とのトップ会談が重要であるということを申し上げてきた」としながらも、「今、何も決まっているものはない」と述べた。同日の参議院予算委員会では「以前述べたように、日本と北朝鮮の関係、拉致問題などさまざまな課題を解決するためには首脳会談が重要で、首相直轄水準で北朝鮮に対してさまざまな対応をしている」と語った。

 韓国政府の元高官は「朝日両国は重要懸案でまだ接点を見出せずにいるようだが、高官級の意思疎通が公開あるいは非公開で続いている現象に注目しなければならない」と述べた。

イ・ジェフン先任記者、東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) 
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1133702.html韓国語原文入力:2024-03-25 21:09
訳H.J

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