本文に移動

「MBCはよく聞け」韓国大統領室首席、軍事政権批判した記者襲撃事件に触れ「脅し」

登録:2024-03-15 23:30 修正:2024-03-21 07:14
MBC「ニュースデスク」、市民社会首席の昼食会での発言を報道 
軍事政権批判するコラム書いた記者が受けた「刺身包丁襲撃」に言及
14日付文化放送(MBC)の「ニュースデスク」の報道画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 大統領室のファン・サンム市民社会首席が担当記者団との昼食会で、「文化放送」(MBC)の記者に向かって「MBCはよく聞け」と言い、「軍情報司令部によるオ・ホングン記者刺身包丁襲撃事件」に言及したことが分かった。これは、1988年に月刊誌に軍事政権を批判するコラムを連載していたオ・ホングン記者が、軍情報司令部の軍人らによる襲撃に遭った事件を指す。ファン首席の同日の発言は、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の卑俗語報道」などをめぐって現政権と対立している報道機関に対し、大統領室の主要関係者が直接行った発言という点で、物議を醸すものとみられる。

 14日、MBCのニュース番組「ニュースデスク」によると、ファン首席はこの日、同放送の記者を含む担当記者団との昼食会で、「MBCはよく聞け」と言った後、「私は(軍の)情報司令部出身だが、1988年に経済新聞の記者が狎鴎亭(アプクジョン)の現代マンションで、太ももを2カ所刃物で刺された」と語った。ファン首席のこの発言は、さまざまな懸案について言及していたところ、自分の軍服務時代の話に話題が変わった過程で出たと、同放送は報じた。

 ファン首席が言及した事件は、盧泰愚(ノ・テウ)政権初期に「中央経済新聞」の社会部部長だったオ・ホングン記者が「月刊中央」に軍事政権に対して批判的な内容が主に含まれた「オ・ホングンが見た世界」を連載していた当時、軍情報司令部の軍人たちから襲撃を受けたもの。オ記者はこのテロで太ももに大きな裂傷を負った。当時、国防部の捜査の結果、同事件は情報司令部隷下部隊の現役軍人たちによる組織的な犯罪であることが明らかになった。彼らはオ記者が「月刊中央」1988年8月号に寄稿した「清算すべき軍事文化」という題名のコラムに不満を抱いて襲撃したという事実も捜査過程で明らかになった。

 またMBCは、ファン首席がこの事件に言及し「当時(オ記者が)政府に批判的な論調の記事を書いたことが問題になったという趣旨」だと説明し、「なぜMBCによく聞けと言ったのか」という質問に対しては、冗談だとしたうえで「情報報告しないでほしい」という要請も付け加えたと報じた。

 「韓国放送」(KBS)9時ニュースのメインキャスター出身のファン首席は、昨年11月にカン・スンギュ前首席の後任に任命された。1991年にKBS記者として入社し、社会部や統一部、政治部とニューヨーク特派員、社会部長などを歴任した。

 一方、ファン首席はこの日、5・18光州(クァンジュ)民主化運動についても「解散させて一晩で4~5回も再び集まったが、訓練を受けた誰かがいない限り、一般市民がそのように組織されるのは考えられない」と述べた。さらに「黒幕がいるという疑念が生まれてもおかしくはない」とし、北朝鮮が介入した可能性に触れる一方、「ただし、証拠がなければ主張してはならない」と付け加えたとMBCは報じた。

チェ・ソンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/1132360.html韓国語原文入力: 2024-03-15 17:43
訳H.J

関連記事