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サムスン会長「違法継承」容疑に無罪判決…韓国裁判所「サムスン物産と株主にも利益」

登録:2024-02-06 00:27 修正:2024-02-06 01:04
不当合併・会計不正などの一審 
「犯罪証明なし」すべて無罪判決
「経営権違法継承」疑惑が持たれているサムスン電子のイ・ジェヨン会長が5日午前、経営権継承と関連した不当合併・会計不正容疑の判決公判に出席するため、ソウル瑞草区のソウル中央地裁に向かっている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 サムスン物産と第一毛織との不公正合併を通じた「サムスングループ経営権違法継承」疑惑が持たれて起訴されたサムスン電子のイ・ジェヨン会長に、裁判所が無罪を宣告した。裁判所は「両社の合併はイ会長による継承および支配力の強化のみを目的としたものではなく、サムスン物産と株主にも利益」になったと判断した。最高裁で確定しているイ会長の合併と関連する贈賄と両社の合併の違法性は別の事案だ、とも述べた。

 ソウル中央地裁刑事合議25-2部(パク・チョンジェ裁判長)は5日、不正取引行為および相場操作(資本市場法違反)、業務上背任、株式会社などの外部監査に関する法律違反などの容疑で起訴されたイ会長に対して、「検察の公訴事実にはすべて犯罪の証明がない」として無罪を言い渡した。検察による2020年9月1日の起訴から判決まで3年5カ月かかった。検察は昨年11月17日の結審公判でイ会長に対して懲役5年、罰金5億ウォンを求刑していた。ともに起訴されたチェ・ジソン元サムスングループ未来戦略室(未戦室)室長、キム・ジョンジュン元未戦室戦略チーム長、チャン・チュンギ元未戦室次長ら、残りの13人の被告にも無罪が言い渡された。

 検察は2015年、イ会長が最小限の費用でグループを継承できるようにするための計画案「プロジェクトG」に則り、イ会長が筆頭株主(23.2%)となっている第一毛織がサムスン物産を不正に吸収・合併したとみなした。合併当時、第一毛織の株は高く、サムスン物産(イ会長の持株比率0%)の株は低く評価され、それを実行するためにサムスンが株価操作、粉飾会計、虚偽公示などによる不正取引をおこなったと主張した。

 しかし裁判所は、両社の合併に違法性はないと判断した。同地裁は「合併の主な目的はイ会長の経営権の強化および継承だと断定することはできない」とし、「企業集団レベルで系列会社に対する支配力強化のために努力したり、効率的な事業調整方策を検討したりすることは自然で、必要な業務でもある」と述べた。株主に損害を与えた業務上背任容疑については「サムスングループの経営権の安定化はサムスン物産と株主にとっても利益になった面がある」と判断した。

 2016年に違法継承を検察に告発した参与連帯は「贈賄で処罰されたが、肝心なその賄賂の目的はなかったということになる。先行する諸判決についても無罪とした裁判所の判断は、手のひらで空を覆うようなもの」だと批判した。サムスングループは「グローバル環境が急変する状況では経営判断が非常に重要だが、幸い事業に専念できるようになった」との反応を示した。

イ・ジェホ、ホン・デソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1127339.html韓国語原文入力:2024-02-05 17:27
訳D.K

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