本文に移動

韓国与党、総選挙を前に「尹錫悦マーケティング」放棄…支持率30%割れで

登録:2024-02-03 07:57 修正:2024-02-03 09:55
支持率20%台に転落 
側近も距離置く
国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長が旧正月を控えた2日午後、京畿道九里市の九里伝統市場を訪れてホットクを購入し、商人と言葉を交わしている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国政支持率が9カ月ぶりに30%を割った。このような世論調査の結果が2日に発表された。尹大統領に対する世論が日増しに悪化していることから、総選挙に出馬する大統領室の中核の参謀たちも、大統領との縁を強調するのではなく距離を置いている。

 韓国ギャラップが先月30日から今月1日にかけて、全国の満18歳以上の1千人の男女に対して電話調査員によるインタビュー(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント、回答率12.7%、中央選挙世論調査審議委員会のウェブサイト参照)を実施したところ、尹大統領の国政運営を「支持する」と答えた人の割合は29%(「支持しない」は63%)だった。尹大統領の支持率が30%を割ったのは昨年4月第2週以来9カ月ぶり。その時の尹大統領の支持率は「米国の盗聴・傍受事件」、「日本に対する屈辱外交」などの影響で27%(「支持しない」65%)だった。

昨年12月第1週からの尹錫悦大統領の支持率と不支持率の推移。赤が不支持率、青が支持率=韓国ギャラップ//ハンギョレ新聞社

 支持しない理由としては、経済・民生・物価(19%)が最も多く、▽意思疎通が不十分(11%)▽独断的で一方的(7%)▽キム・ゴンヒ女史問題(6%)▽拒否権行使(5%)など、態度に関するものがかなりの部分を占めた。キム・ゴンヒ女史のブランドバッグ授受問題、与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長に対する突発的な辞任要求、法案に対する度重なる拒否権行使などが尹大統領に対する否定的イメージを高めたとみられる。

 地域別に見ても、大邱(テグ)・慶尚北道を含む全地域で「支持しない」の割合が高かった。大邱・慶尚北道地域の「支持する」は45%、「支持しない」は48%だった。年齢層別に見ても、支持層である60代の「支持する」は42%、「支持しない」は54%だった。無党派・中道層では「支持しない」の方がはるかに多かった。無党派層の「支持する」は10%、中道層は21%にとどまった。

 尹大統領に対する冷ややかな世論は、4月10日に行われる総選挙に出馬するかつての大統領室の参謀や首都圏で出馬する議員らにも影響を及ぼしていることがうかがえる。元検事で、最側近の一人とされたチュ・ジヌ前大統領室法律秘書官は、釜山市海雲台区(プサンシ・ヘウンデグ)甲(選挙区名)からの出馬を文書で宣言した際、「私は大統領室、金融委員会、法務部で約7年間、政策と予算を扱ってきた」と記すにとどまり、尹大統領との縁は強調していない。

 首都圏のある議員はハンギョレに「30%にも満たない支持率でどうするのか。(尹大統領マーケティングが)首都圏で通用しなくなって久しい。勝負の分かれ目は首都圏、中道層だが、彼らが(尹大統領を)まったく支持していないのに大統領マーケティングをする人がいるだろうか」と語った。別の議員も、「尹大統領と写っている写真は横断幕にすることすら考えなかった。世論が良くないのに、なぜあえて写真を掲げるのか。むしろハン・ドンフン非常対策委員長と写った写真をかけた方がましだ」と話した。大統領就任から2年足らずで行われる総選挙で「大統領マーケティング」を避ける雰囲気が広がっているのだ。党周辺では早くも、総選挙の結果が思わしくなければ、尹大統領の党に対する掌握力が急速に低下するだろうとささやかれている。

 一方この日、尹大統領とハン・ドンフン委員長は、72歳の誕生日を迎えた朴槿恵(パク・クネ)元大統領を祝った。

 尹大統領は朴元大統領との通話で、「頻繁に連絡し、機会があればうかがう。(朴槿恵元)大統領もいつでも気軽に訪ねていただきたい」と述べたと、大統領室のキム・スギョン報道官が語った。ハン委員長も、秘書室長を務めるキム・ヒョンドン議員を朴元大統領の大邱市達城郡(タルソングン)の自宅に派遣し、祝いのランの花を贈った。尹大統領とハン委員長はかつて「チェ・スンシル国政壟断事件特別検事チーム」の捜査チーム長とチーム員だった。朴元大統領に対する気遣いは、4月の総選挙を前にして大邱・慶尚北道の世論を意識したものと思われる。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1127080.html韓国語原文入力:2024-02-02 19:11
訳D.K

関連記事