育児休職を使った期間を昇進に必要な勤続期間に含めなかったり、一部だけを含めたりしていた企業が半数を超えることが分かった。政府が少子化対策として主に育児休職期間の賃金補てん額や期間の拡大などの制度そのものに関心を注いでいる中、休職後の職場復帰の過程においても差別的な現実を改善すべきだとの声があがっている。
雇用労働部が韓国女性政策研究院に依頼した「2022年仕事と家庭の両立実態調査」を17日に確認すると、育児休職期間全体を「昇進所要期間」に算入するという事業体は30.7%にとどまった。一部のみを昇進所要期間に算入するという事業体は23.7%、まったく算入しないという事業体は45.6%。育児休職を使うと昇進が遅れる企業が半数以上を占めることになる。男女の雇用の平等と仕事・家庭の両立の支援に関する法律は、育児休職期間を勤続期間に含めるよう規定するとともに、守らない事業主を処罰することを定めているが、現実においてはこうした強行規定さえ有名無実化しているわけだ。
育児休職から復帰する労働者に対して復職日時および出勤場所を告知する最小限の措置をはじめとする「特別な措置やプログラムがない」と答えた事業体は54.4%。これこそ、育児休職終了後は復帰せずに辞める(8.1%)、復帰後6カ月未満勤務して辞める(1.5%)という回答が依然として合計10%近い背景だと考えられる。
事業体の規模による育児休職利用の格差も相変わらずだ。「必要な人は育児休職制度をすべて使用できる」とする事業体は、300人以上の企業では95.1%に達したが、5~9人の小規模事業体は47.8%で、大企業の半分の水準にとどまった。
民間公益団体「パワハラ119」のキム・ソリョン労務士は「育児休職制度を現場に定着させるためには、復職者に対する態度が重要だ。育児休職期間の昇進所要期間への算入など、すでに法に規定されている基本的な安全装置をまず整備すべきだ」と話した。