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北朝鮮は17、18日と2日連続で短距離弾道ミサイルと大陸間弾道ミサイル（ICBM）と推定されるミサイルを発射した。関連ニュースの流れるテレビ画面の前を東京の市民が通りがかっている/AFP・聯合ニュース

　韓米が北朝鮮の核脅威により強く対応すればするほど、北朝鮮もこれに対抗して対決の水位を高めるという「強対強」の局面が続いている。今のように韓米の抑止の試みが通用しない状況で、どちらか一方が致命的な誤判断を犯せば朝鮮半島全体が取り返しのつかない状況に陥るのではないかと憂慮される。

　15日に米ワシントンで開かれた韓米核協議グループ（NCG）の2回目の会議で、韓米が今後行われる両国の合同演習に「核作戦シナリオ」を盛り込むなど画期的な対応に乗り出すと明らかにした直後、北朝鮮は韓米日3カ国の肝を冷やす大胆な挑発に打って出た。17日夜、平壌（ピョンヤン）一帯から東海（トンヘ）側に射程距離570キロメートルに達する短距離弾道ミサイルを発射し、続いて18日午前には大陸間弾道ミサイル（ICBM）と推定されるミサイルを発射した。その後、日本の三宅伸吾防衛省政務官は記者会見を開き、「同ミサイルは73分飛翔し、最高高度は約6000キロメートルを超えると推定される」とし、「1万5000キロメートルを超える射程となり得るとみられ、その場合、米国全土が射程に含まれることになる」と述べた。韓米が北朝鮮の核の脅威に対してさらに一体化した対応をすると宣言した直後の17日夜、短距離ミサイルで韓国を牽制し、10時間後の18日朝には、太平洋を越え米国に「ワシントンやニューヨークを明け渡してでもソウルを守るのか」と投げかけたわけだ。

北朝鮮の大陸間弾道ミサイル（ICBM）試験発射//ハンギョレ新聞社

　北朝鮮は17日夜、談話を通じて戦略的意図を比較的率直に公開した。北朝鮮の国防省報道官は、現在の韓米の対応を自国に対する「核兵器使用を既成事実化し、その実行に向けた作戦手続きを実戦ムードの中で検討しようとする露骨な核対決宣言」だと規定し、「敵対勢力のいかなる武力使用の企図も、先制的かつ壊滅的な対応に直面することになるだろう」と述べた。具体的には、米原子力潜水艦（SSN）「ミズーリ」の17日の釜山（プサン）入港など「（米国の）戦略資産の定期的な可視性をいっそう増進させる」という4月のワシントン宣言を問題視し、「このような危険な状況は、我々の武力でさらに攻勢的な対応方法を選ばなければならないという切迫さを煽っている」と述べた。米原子力潜水艦の釜山寄港（7月・12月）▽米戦略爆撃機の朝鮮半島上陸（10月）▽米国の大陸間弾道ミサイル「ミニットマン3」の試験発射参観（11月）など、米戦略資産の朝鮮半島への展開に向けた動きに韓国が乗り出せば乗り出すほど、北朝鮮も攻勢的に対応するという考えを明確にしたのだ。

　米国の戦略資産投入に対する北朝鮮の対応が以前の「守勢的」な姿勢から180度変わったのは、昨年9月、核先制攻撃の可能性を残した「朝鮮民主主義人民共和国の核武力政策について」と題する「核ドクトリン」を法制化した後のことだ。その直後の昨年9月23日、米空母「ロナルド・レーガン」が韓米連合海上訓練のために釜山に入港すると、北朝鮮は25日から10月1日まで4回にわたって弾道ミサイルを発射した。さらに10月4日には、8カ月ぶりに飛行距離4600キロメートルの中距離弾道ミサイル（IRBM）を発射。今年7月、米国の戦略原子力潜水艦（SSBN）「ケンタッキー」が42年ぶりに釜山港に入港した時も、翌日の19日未明、順安（スナン）一帯から東海側に短距離ミサイルを発射し東海に落とした。ミサイルの飛行距離は順安から釜山までの距離と正確に一致する550キロメートルだった。米国の潜水艦を直接狙うという意図を隠さなかった。

　結局、北朝鮮の核の脅威に対応しようと韓米が協力を強化すれば、北朝鮮はさらに攻勢的に対応し、南北いずれも以前よりも大きな安保危機に圧迫されるようになった。朝鮮半島全体が典型的な「安保ジレンマ」（一国が自国の安保強化のために軍事力を強化すると、不安になった相手もこれに対応し、結果的にすべての当事者の安保が脆弱になる逆説的現象）に陥ったわけだが、朝米、南北間対話のチャンネルが全て閉ざされている今、危機から抜け出す明確な突破口は見えない。

キル・ユンヒョン記者、東京/キム・ソヨン特派員 charisma@hani.co.kr