韓国与党「国民の力」のキム・ギヒョン代表が2日間の熟考の末、13日、党代表から退いた。今年3月に党代表に当選してから9カ月目であり、「尹核関」(尹錫悦大統領の核心関係者)であるチャン・ジェウォン議員の不出馬宣言からわずか一日後のことだ。国民の力は来年4月の総選挙を4カ月後に控えた状況で、非常対策委員会によって指導部を再編することになった。
キム代表は13日午後5時5分頃、自身のフェイスブックに「本日付で国民の力党代表を辞任する」とし「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の成功と国民の力の総選挙勝利は、あまりにも切迫した歴史と時代の命令であるため、『行有不得 反求諸己』(あることの結果を自分自身の中から探さなければならない)の心情で責任を果たしたい」と書き込んだ。また「党が今直面しているすべての状況に対する責任は党代表である私の責任であり、それにともなういかなる批判も私が受けなければならない。これ以上私の進退問題で党が分裂してはならない」と書いた。
大統領室では当初、キム代表に「党代表は維持しながら、総選挙には不出馬」を要求したが、キム代表はこれを拒否し、選挙区(蔚山南区乙)への出馬と代表辞任を選んだという。キム代表はこの日、フェイスブックには選挙区不出馬については言及しなかったため「出馬の意思」という解釈が出ている。キム代表は「厚かましい民主党が再び議会の権力を握るような悲劇が再演されないよう、力を尽くしたい」と述べた。
今年3月の全党大会で尹錫悦大統領の支持を受け党代表に当選したキム代表は、2年の任期の半分もたたずに中途辞任した。キム代表は10月のソウル江西(カンソ)区長補欠選挙の惨敗後、革新委員会を設け代表職を維持したが、「勇退論」を拒否し、窮地に追い込まれた。11日の革新委の早期終了は、12日のチャン・ジェウォン議員不出馬→13日のキム代表辞任へとつながった。国民の力は、イ・ジュンソク前代表に続いてキム代表まで辞任し、約1年間で2回も党代表が辞めることになった。
国民の力は非常指導体制に入った。代表の残りの任期が6カ月以上残っていれば新しい代表を選ぶことができるとする党憲党規上、臨時全党大会を通じて新しい指導部選出も可能だが、119日後に迫った総選挙の日程上、非常対策委員会への転換が現実的な代案として取り沙汰されている。党代表権限代行を務めるユン・ジェオク院内代表はこの日、「14日午前8時に3選以上の重鎮議員の連席会議を開き、まとまった立場を申し上げる」と述べた。
国民の力の中では、チャン・ジェウォン議員の不出馬に続くキム代表の辞任を受け、クォン・ソンドン、イ・チョルギュ、ユン・ハンホン、イ・ヨン、パク・ソンミン、パク・スヨンの各議員ら親尹錫悦派の議員の勇退につながるかに注目する雰囲気だ。