慶尚北道亀尾市(クミシ)が韓国オプティカルハイテック工場の撤去計画を審議するや、1年近く雇用継承を要求し工場で座り込みを行っている労働者たちが反発した。
ハンギョレの取材を総合すると、亀尾市は先月20日から4日間にわたり韓国オプティカルハイテックの工場撤去計画の建築審議委員会を開いた。これに先立って韓国オプティカルハイテックは昨年10月4日、工場生産棟に火災が発生して全燃し、その1カ月後の11月4日に工場を廃業すると明らかにした。会社は慰労金を提示し、職員210人に希望退職を通知した。これを拒否した12人は雇用継承を要求し、2月から工場内の労組事務室で座り込みを始め、続いて3月には会社を相手に慶北地方労働委員会に不当解雇救済を申し立てた。地方・中央労働委員会で不当解雇救済申立てが受け付けられなかったため、労働者たちは中央労働委員会を相手に行政訴訟を起こした。
韓国オプティカルハイテックはLGにLCD偏光フィルムを納品する日本の日東電工グループの子会社で、2003年に亀尾4国家産業団地の外国人投資専用団地に入居した。当時、亀尾市は外国人投資促進法などに基づき、50年間の土地無償賃貸などの優遇措置を韓国オプティカルハイテックに提供した。
亀尾参与連帯などで構成された共同対策委は28日、亀尾市庁前で記者会見を開き、「亀尾市は多くの外国人投資企業を誘致し、土地の無償賃貸や法人税・取得税など各種税制減免の優遇措置を与えた。市民の血税を投じて誘致した外資系企業が一方的に廃業して逃げることを容認してよいのか。亀尾市は工場撤去を承認するのではなく、日東電工が労働者の雇用に責任を負うよう社会的役割を果たさなければならない」と主張した。
労働者が希望退職提案を受け入れず闘争に乗り出したのは、会社側の廃業理由が納得できないためだ。会社側は2019~2020年に2回のリストラをしたが、昨年は物量が増え100人余りを新規採用した。昨年10月の火災以後、会社側は工場を復旧せずに亀尾で生産していた物量を「双子会社」である京畿道平沢市(ピョンテクシ)の韓国日東オプティカルの工場に全量を移した。平沢工場は亀尾の物量を受け取り、20人余りを新規採用した。亀尾・平沢工場ともに日東電工グループが100%の持分を持っている。
金属労組韓国オプティカルハイテック支会のチェ・ヒョンファン支会長は「(韓国オプティカルハイテックが)昨年10月の火災が発生した当日まで新規採用をしていたため、廃業は全く予想できなかった。私たちは(会社の清算決定を)不当な廃業とみて平沢工場での雇用継承を要求してきた」とし、「(雇用継承を要求して)労働者が座り込みをしていることを知りながらも亀尾市が撤去計画を審議することは、私たちを2度殺すこと」と話した。
亀尾市の関係者は「市でも今年初めに日本の本社と平沢工場に雇用継承協力の公文書を送ったが、難しいとの返事を受けた」とし、「火災建物の解体審議は行政手続きなので無限に先送りすることはできない」と述べた。