21日夜に打ち上げられた軍事偵察衛星「万里鏡1号」が「軌道進入に成功した」という北朝鮮の発表とは異なり、米国と日本では懐疑的な反応が続いている。
松野博一官房長官は、北朝鮮が「万里鏡1号」を発射した翌日の22日未明(現地時間)に開かれた臨時記者会見で、北朝鮮の衛星が「軌道に進入したかどうかは確認されていない」と述べた。米国防総省のサブリナ・シン副報道官も、北朝鮮の発射事実が公開された直後に開かれたブリーフィングで、「北朝鮮が偵察衛星の軌道進入を成功させたと評価するか」という質問に、「成功したのか、まだ評価中だ」と答えるにとどまった。「万里鏡1号」を「軌道に正確に進入させた」という北朝鮮国家航空宇宙技術総局の発表を否定している様子だ。
朝日新聞は、日本がこのような留保的見解を示す理由について、防衛省が分析した情報に基づいたものとして報じた。日本防衛相は自衛隊や宇宙航空研究開発機構(JAXA)のレーダーや米軍からの情報をもとに宇宙物体の位置や軌道を常時監視している。それによれば「衛星らしきものが地球を周回している確証に至っていない」というのが防衛省の結論だと指摘した。同紙は複数の日本政府関係者の話を引用し、「人工衛星を地球周回軌道に乗せるためには、地球の重力に負けないように『第1宇宙速度』(秒速約7・9キロ)を出す必要があるが、北朝鮮が発射した「衛星」は達していないとみられる」と伝えた。NHKもやはり衛星が軌道に進入した場合、一般的に1時間半間隔で地球の周囲を一周するが、防衛省は22日夕方までに北朝鮮の衛星が軌道に進入したか確認できなかったと伝えた。
さらに、衛星が軌道に乗っても、これを軍事的に運用するためには地上の基地との通信に成功しなければならない。この部分については韓日共に評価を留保している。
日本は「万里鏡1号」の軌道への進入は別にしても、北朝鮮の衛星打ち上げ技術は相当な進展を遂げたとみている。北朝鮮は今回の打ち上げ前に落下物の落下地点を予告したが、最初の落下物は予告区域外に落ち、2番目の落下物もフィリピン東方の太平洋上の予告地点内に落ちた。8月24日の衛星打ち上げ失敗当時には、落下物の全てが予告区域外に落ちたことと比較すると、正確さが向上したといえる。毎日新聞は、衛星を載せたロケットが黄海上を飛行しフィリピン東方沖に向かって軌道を変えるルートは「非常に難しい飛ばし方」だと日本政府関係者が述べたと報じた。