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北朝鮮偵察衛星の軌道に進入…ロシアの技術協力あったか

登録:2023-11-23 06:56 修正:2023-11-23 07:54
3カ月で失敗の原因を解決した背景は
北朝鮮の金正恩国務委員長(前列右)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(前列左)が9月13日(現地時間)、ロシア極東アムール州ボストーチヌイ宇宙基地で会話している/聯合ニュース

 北朝鮮が21日に打ち上げに成功したと発表した軍事偵察衛星「万里景(マンリギョン)1号」について、韓国軍当局は「軌道に進入した」としながらも、「正常に作動するかどうかについて判断するには時間がかかる見込み」だと述べた。専門家らの間には、北朝鮮が2回目の打ち上げ失敗から3カ月で軍事偵察衛星を打ち上げられた背景には、ロシアの協力があったという分析も出た。

 北朝鮮官営「労働新聞」は同日付で、「『千里馬(チョンリマ)1型』は予定された飛行軌道に沿って正常飛行し、偵察衛星『万里鏡1号』を軌道に正確に進入させた」としながらも、衛星が進入した軌道の傾斜角度など具体的特性は明らかにしなかった。北朝鮮が目標とした軌道は500キロメートル上空の低軌道だという。

 これと関連し、韓国の合同参謀本部は22日「衛星体が軌道に進入したとみられる」としながらも「正常に作動しているかどうかに関する判断は、関連機関および韓米連携のもとでさらなる分析が必要であり、時間がかかるだろう」と述べた。韓国軍関係者も「北朝鮮は成功したと発表したが、実際の成否については、衛星が軌道を何回か回ってみない限り、ちゃんと進入して回っているかどうかを確認できない」と語った。

 多くの専門家たちは、過去2回の失敗の時とは異なり、軍事偵察衛星が飛翔体の段分離に成功した後、目標軌道に入ったのは成果だと評価する。5月31日の1回目の打ち上げ当時は、1段目の推進体(ロケット)が分離した後、2段目の推進体のエンジンが正常に作動せず、西海(ソヘ)上に墜落した。8月の2回目の打ち上げでは、1・2・3段推進体はいずれも正常に作動したが、衛星が予想飛行軌跡から外れて非常爆発装置が作動し失敗した。クォン・ヨンス元国防大学教授は「北朝鮮はすでに2012年と2016年にも東倉里(トンチャンリ)から直線状の衛星軌道への進入に成功した。今回打ち上げた衛星は中国に向かう途中、急旋回する経路を取ったが、次第に技術を補完し目標軌道まで到達したものとみられる」と述べた。

 このような変化にはロシアの技術協力があったものと推定される。9月、ロシアのボストーチヌイ宇宙基地で行われた朝ロ首脳会談以降、北朝鮮がロシアに砲弾などを輸出する代わりに軍事偵察衛星の打ち上げ関連の技術協力を受けるだろうという見通しが常に示されてきた。科学技術政策研究院のイ・チュングン名誉研究委員は「1回目の打ち上げ時に作動しなかった2段エンジンの燃焼の不安性や信頼性は簡単には解決できない問題」だとしたうえで、「ロシアが技術諮問に応じたのか、部品を支援したのか、エンジンを丸ごと与えたのか、様々な面で考えてみる必要がある」と語った。前日、軍関係者は記者団に「朝ロ首脳会談後、ロシアの技術チームが(北朝鮮に)入った情況がある」と述べた。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1117463.html韓国語原文入力:2023-11-22 21:38
訳H.J

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