本文に移動

KBS労組、「公正性傷つけた」アンカーリポート「恥辱的報道惨事」

登録:2023-11-16 01:24 修正:2023-11-16 07:23
14日、韓国放送(KBS)「ニュース9」でアンカーのパク・チャンボムさんがリポートしている=同番組のシーンをキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 「党派性問題を克服する」という13日のオープニングコメントに続き、14日に韓国放送(KBS)のパク・ミン社長が取り上げた4件の「不公正偏向報道」の事例に言及しつつ謝罪した「ニュース9」のアンカーリポートについて、全国言論労働組合(言論労組)韓国放送本部は「KBSの50年の歴史において、恥辱的な報道惨事」だと反発した。同労組は15日に発表した声明で、同アンカーリポートが制作された経緯と作成の主体について疑惑を提起し、パク社長に釈明を求めた。

 アンカーのパク・チャンボムさんは14日のニュース9のアンカーリポートで、「故チャン・ジャヨンさん事件に関するユン・ジオ氏インタビュー」(2019)、「チャンネルA検察・報道癒着録音報道」(2020)、「ソウル市のオ・セフン市長内谷洞(ネゴクトン)土地補償報道」(2021)、「ニュース打破キム・マンベ-シン・ハンニム録音ファイル引用報道」(2022)を「KBSの報道の公正性を傷つけた代表例」として述べた。パクさんは約4分間、これらが報道された当時の報道クリップや謝罪放送シーンなどを流した。

 これらの報道はすべて、パク・ミン社長がこの日の国民向け記者会見で「この間の不公正偏向報道を謝罪する」として取り上げた事例だ。パクさんはさらに、江原道高城(コソン)-束草(ソクチョ)山火事災害報道(2019)、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の日章旗敬礼誤報(2023)などに言及しつつ、「今後は政治的中立が疑われたり事実確認原則を忠実に守らなかったりといった報道がなされないようにするということを、改めて視聴者のみなさまにお約束する」と述べた。

 言論労組韓国放送本部は、反論権を保障しない一方的な「レッテル貼り」だと批判した。同労組は「オ・セフン内谷洞報道」を例にあげ、「『国民の力』が公職選挙法違反で告発したにもかかわらず、検察は嫌疑なしとして処理した。特定の権力に不利になったら公正性を傷つけるものなのか」と述べた。続けて「今回のアンカーリポートは夜に突如キューシート(番組進行表)の上段に上がってきたもので、原稿も統合ニュースルーム所属ではないハン部長が作成したもの」だと主張した。

 労組はハンギョレに「通常、アンカーリポート原稿は現場に出る記者たちが取材し、草稿を作成してアンカーに渡し、アンカーが最終原稿を書く、というのが原則だった。今回はそのような企画はなかった」と説明した。労組は、パクさんのリポートがどのような権限と過程で作成されたのかを問うため、緊急の公正放送委員会(公放委)の開催を要請した。公放委は団体協約に則り、労使各4人の委員で構成され、問題提起されたコンテンツの制作の経緯を調査する機関。

 一方、労組は今週中に「チュ・ジヌ・ライブ」出演者の交代および廃止、「ザ・ライブ」編成削除などについて、放送法および団体協約違反でパク・ミン社長と担当者を告発する計画だ。

パク・カンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/1116428.html韓国語原文入力:2023-11-15 16:29
訳D.K

関連記事