キム・ミョンス合同参謀本部議長候補が、昨年1月の北朝鮮によるミサイル発射の当日に上場インデックスファンド(ETF)取引をしていたことが14日に確認された。キム候補の娘が中学校在学時代に集団暴行に加担し、学校で処分を受けていたことも確認された。野党「共に民主党」は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対し「キム候補の指名を撤回し、人事惨事について謝罪せよ」と述べた。
国会国防委員会に所属する共に民主党のチョン・ソンホ議員はこの日、韓国取引所(KRX)から提出を受けた「キム候補の株取引の内訳」を提示しつつ、「キム候補は昨年1月から現在までの2年間に、十数回の株取引やETF取引をおこなっていた。この期間、すべての取引は通常の勤務時間である午前10時から11時の間、午後2時から4時の間に行われていた」と語った。
チョン議員は「キム候補は、北朝鮮が東海(トンヘ)上に弾道ミサイルを発射した昨年1月5日と17日にも株を取り引きしていた」と強調した。また「キム候補は北朝鮮が東海上に弾道ミサイルを1発発射した直後の1月5日午前11時ごろ、『Kトップリーツ』の50万ウォン分の株を購入した」と指摘した。合同参謀本部はその日、北朝鮮が午前8時10分ごろにミサイルを発射したと発表している。
キム候補は、北朝鮮が東海上に短距離弾道ミサイルを2発発射した昨年1月17日にも、午前11時24分から11時45分までの時間帯にETF「TIGER米国MSCIリーツ(合成H)」約1千万ウォン分を購入。同日午後3時にもETF「KBSTAR米国S&P500」1千万ウォンほどを購入している。合同参謀本部はその日午前8時56分に、北朝鮮が午前8時50分と8時54分に弾道ミサイルを発射したと発表している。
キム候補は当時、国防部傘下の国防改革室で国防運営改革推進官(所長)を務めていた。指摘に対してキム候補は「高位公職者として業務をよりいっそう忠実に遂行する」とし、「2022年1月は国防運営改革推進官として勤務していた時で、作戦措置要員ではなかった」と述べ、取引の事実を認めた。
キム候補の娘が校内暴力に加担し、処罰を受けていたことも確認された。
民主党のキ・ドンミン議員は14日、「2012年4月27日、当時釜山(プサン)の五六島中学校2年生だったキム候補の娘のK氏を含む6人が、校内のトイレで被害者Aさんに集団で暴行を加えた」とし、「その後、被害事実が報告され、同年5月8日に校内で校内暴力対策審議委員会が開催され、1人の加害生徒は3号処分(校内奉仕)、K氏を含む5人は1号処分(被害生徒に対する書面での謝罪)にとどまっていた」と述べた。現行法上、校内暴力に対する処分は1号から9号(退学)まであり、1号は最も低い水準の措置だ。通常、集団暴行事件は一般暴行より重い処罰が科される。
キム候補はハンギョレに「私の子は同級生同士の争いに巻き込まれ、誠意ある謝罪をしたため当事者がこれを受け入れて終わったと認識している。2012年当時は艦長任務を遂行しており、頻繁な海上出動などで子の学校生活に多くの関心を傾けられなかった」とし「心の傷を負った方に申し訳なく思う」と語った。
キム候補の勤務中の株取引と子の校内暴力が確認されたことで、高位公職候補の1次検証を行う法務部人事情報管理団に対しては、検証がずさんだとの批判が高まるとみられる。尹錫悦政権の発足後に子の校内暴力が確認されたのは、イ・ドングァン放送通信委員長、チョン・スンシン元国家捜査本部長候補、キム・スンヒ元大統領室儀典秘書官に続き4人目。キム候補はこの日夜、「公職者の人事検証過程で校内暴力に関する検証手続きがあったが、子の校内暴力を認知できておらず、関連機関に陳述できなかった」とし、検証過程には問題がなかったことを強調した。キム候補に対する国会での人事聴聞会は15日に開かれる。
民主党のカン・ソヌ報道担当は「娘は『集団校内暴力』、父親は北朝鮮による挑発の期間に『株取引』、尹錫悦政権の人事惨事はいつ終わるのか」とし、「尹錫悦大統領はキム候補に対する指名を直ちに撤回し、度重なる検証の失敗と人事惨事について国民に謝罪せよ」と述べた。