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月約7000円でソウルの公共交通機関が乗り放題…韓国版「49ユーロチケット」発表

登録:2023-09-12 09:31 修正:2023-09-12 10:58
ソウル市、「気候同行カード」来年1~5月にテスト運用…7月正式導入
3月20日午前、ソウル光化門広場から眺めた市内は空気汚染でかすんでいる。公共交通機関でのマスク着用義務が解除された初日のこの日、マスクをつけてバスに乗っている市民たちのようす/聯合ニュース

 ソウルで来年1月、月6万5000ウォン(約7000円)でソウル市内の地下鉄と市内・町バスから、公共自転車「タルンイ」まで利用できる公共交通乗り放題利用券が初めて販売される。平日に公共交通機関で通勤する市民は、月に約3000ウォンから3万ウォン(330~3300円)ほど公共交通費を節約できるものと推定される。

 ソウル市のオ・セフン市長は11日、市庁ブリーフィングルームで「公共自転車とリバーバス(水上バス)まで念頭に置いた、すべての公共交通機関を網羅する統合体系を作る」として、このような内容の「気候同行カード」をテスト導入すると明らかにした。ソウル市は「気候同行カード」で公共交通機関の利用率を高め、気候危機に対応する方針だ。これまで公共交通機関の定期券はあったが、地下鉄だけが利用可能でバスなどを利用する際には追加料金を払わなければならず、利用回数にも制限があった。割引、払い戻し方式ではない、乗り放題の利用券は今回が初めて。「気候同行カード」は来年1~5月のテスト運用を経た後、早ければ来年7月から正式に導入される予定。3000ウォンを払ってカードを購入するか、スマートフォンのアプリをインストールすると利用できる。

 テスト導入はソウル市内で行われるため、京畿道・仁川市など他の地域から乗る場合には気候同行カードを利用できない。ソウルを出発して他の地域で下車する場合は利用可能だ。地下鉄路線はソウル市内で乗降する地下鉄1~9号線と京義中央線、盆唐線、京春線、牛耳新設線、新林線が利用範囲。例えば、4号線の烏耳島(オイド)駅で乗車してソウル駅で降りる場合、ソウル市内からの乗車ではないため、気候同行カードの適用対象とはならない。逆に4号線のソウル駅から出発して烏耳島駅で降りる時は、気候同行カードを使うことができる。基本料金が異なる新盆唐線は対象外だ。

 バスもやはりソウル市内では市内バスと町バスいずれも利用できるが、京畿道・仁川市など他の地域のバスや、基本料金が割高な広域バスは、ソウル地域でも使用が制限される。

 ソウル市のユン・ジョンジャン都市交通室長はこの日の記者説明会で「広域バスの料金は京畿道で2800ウォン、ソウルは3000ウォンなので、6万5000ウォンの気候同行カードを広域バスに適用することになると、10回の往復で金額に達してしまう」とし「ドイツの『ドイチュラントチケット』(別名『49ユーロチケット』)も広域自治体間の運送手段には適用されない」と説明した。地下鉄とバスのほか、気候同行カードで公共自転車も「1時間利用券」を無制限に利用でき、来年導入される予定のリバーバスなども気候同行カードの運用体系に含まれる予定だ。

 平日に公共交通機関で通学・通勤する市民は、気候同行カードを使えば月に3000ウォンから3万ウォンほどの公共交通費を節約できるとみられる。ソウル市が提示した例によれば、汝矣島(ヨイド)駅から高速(コソク)バスターミナル駅まで9号線に乗って通勤する場合、平日の公共交通費は6万8200ウォン(1550ウォンずつ44回利用)ほど。気候同行カードを使えば3200ウォンを節約できる。1カ月の公共交通費が8万1400ウォンほどの恩平(ウンピョン)ニュータウン駅~教大(キョデ)駅を通勤する人は1万6400ウォンを節約することが可能だ。ユン室長は「6万5000ウォンの損益分岐点は40回利用」だとし「40回以上利用すれば、経済的利益を得ることができる。ソウル市内の公共交通機関の月平均利用は50回程度」だと話した。毎月6万5000ウォン以上の公共交通費を支払っているソウル市民は90万人以上。

ソウル市のオ・セフン市長が11日午前、ソウル市庁ブリーフィングルームで開かれた「気候同行カード試験導入記者説明会」で、気候同行カードについて説明している/聯合ニュース

 一部からは、地下鉄・バスの赤字を理由に今年公共交通料金を引き上げているが、気候同行カードの導入ではなく同じ予算で公共交通費引き上げを抑制すべきだったという主張もなされている。ユン室長はこれについて、「財政問題だけを考えると気候同行カードを導入することはできない。財政よりも気候危機に対応するのに必要な制度だと考える」として「公共交通費を割引する効果の他に、自家用車を公共交通機関に切り替えるなどの付随的な社会経済的効果が大きいとみた」と説明した。ソウル市は5カ月の試験導入期間にかかる予算を750億ウォン程度とみている。

 ただし、自家用車の利用者の交通手段を公共交通機関に切り替えさせる誘引力は大きくないという指摘が出ている。気候同行カード導入のニュースを聞いた市民たちは、公共交通費の節減には役立つだろうが、自家用車の利用とは別だという反応を示した。平日は公共交通機関、週末は自家用車を利用するSさん(33)は「平日に数万ウォン節約できるので、生活には少しプラスになりそうだ」としながらも「公共交通機関で行けなかったり不便だったりする場合に自家用車を利用するので、気候同行カードができたからといって自家用車の代わりに公共交通機関を利用するとは思えない」と話した。

 ドイツでは昨年6~8月、約1400円で1カ月間公共交通を無制限に利用できる「9ユーロチケット」がテスト導入され、今年5月には1カ月49ユーロ(約7700円)に価格を調整したドイチュラントチケットが導入された。約5000万枚売れた9ユーロチケットは、公共交通機関の利用25%増、二酸化炭素180万トン低減、物価上昇率0.7ポイント低下などの効果を生んでいる。

ソン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/1107969.html韓国語原文入力:2023-09-12 08:23
訳C.M

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