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諜報戦を彷彿とさせた尹大統領の「ウクライナ訪問」…帰国7時間前に歴訪延長を通知

登録:2023-07-17 02:07 修正:2023-07-17 07:37
尹錫悦大統領と夫人のキム・ゴンヒ女史が15日(現地時間)、ミサイル攻撃を受けたウクライナのイルピン地域を見学している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 「さらに2泊しなければならないようです。通信を最小限の頻度に抑えていただいて、国際・有線電話、国際メールも危険です」

 記者団に当初通知された帰国出発時間を約7時間後に控えた14日(現地時間)午後2時30分、大統領室高官がポーランドのワルシャワに設けられたプレスセンターで、記者団に徹底した秘密保持を要請し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のウクライナ訪問予定を知らせた。

 大統領室は前日夜の記者会見の際、ポーランドと隣接しておりロシアと戦争中のウクライナを尹大統領が訪問する可能性について、慎重な態度を示したが、尹大統領がウクライナに向けて出発する約2時間前、エンバーゴ(報道解禁日時)を付けて電撃発表した。

 大統領室関係者はプレスセンターに外国の取材陣がいないことを確認し、韓国の記者団に対して、各報道機関に関連情報の共有を最小人数に制限するよう要請した。大統領室は当初、尹大統領が、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれたリトアニアとポーランドを4泊6日の日程で訪問した後、15日に韓国に到着する予定だと発表したが、ウクライナ訪問で歴訪期間が延び、17日午前に帰国することになった。

 大統領室は尹大統領と夫人のキム・ゴンヒ女史のウクライナ訪問を、国家安全保障と警護上の理由で最後まで秘密を維持しながら進めた。尹大統領は5月に訪韓したオレーナ・ゼレンシカ夫人を通じてウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の「訪問招請」親書を渡されており、NATO首脳会議への出席を控えてからは、ほかの外交チャンネルを通じても繰り返し訪問要請を受けた。

 キム・テヒョ国家安保室第1次長は16日、現地記者会見で「大統領の安全と警護問題が容易ではなく、重大な国家安全保障関連事案が絡んでいるため、準備はしていたものの、最後まで(訪問するかどうか)決められないまま出国した。最後の最終点検後、異常がないことを確認し、記者団に説明した後にウクライナに向かうことができた」と説明した。

 尹大統領とキム女史は空路と陸路、列車を組み合わせたルートで、14時間後にウクライナの首都キーウに到着したという。今年2月に米国のジョー・バイデン大統領、3月に日本の岸田文雄首相がウクライナを訪問した時のように、ポーランドのジェシュフから列車でキーウまで移動したものとみられる。キーウと近隣都市のイルピン、そして大規模な民間人虐殺が起きたプチャ訪問まで含め、尹大統領のウクライナ滞在時間は11時間だった。

 随行員も大幅に縮小した。チョ・テヨン国家安保室長とキム・テヒョ安保室1次長、キム・ウンヘ広報首席ら少人数だけが同席した。尹大統領はフル(共同取材)記者団を同行させず、専属の写真・映像撮影担当職員を通じて現地の活動内容を伝えた。

ワルシャワ/キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1100347.html韓国語原文入力:2023-07-17 00:11
訳H.J

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