原文入力:2010-03-29午後07:37:47(2360字)
[集中点検 4大河川事業]
ソウル市長候補らに… "コンクリート堤防も撤去を"
河川と水辺 互いに連結し生態系また生き返る
パク・ギョンマン記者,キム・キュウォン記者,キム・ポンギュ記者
↑ かつてソウルの漢江は市民にとって夏は河水浴場であり、冬はソリで滑る所だった。開発時代を経て水中堰とコンクリート堤防で失われた漢江の白砂浜と葦の森を蘇らせようという提案がソウル環境運動連合と大韓河川学会から出てきた。これは水中堰とコンクリート堤防を新たに作る李明博政府の4大河川事業とは正反対の内容だ。写真は1960年代の漢江大橋付近 白砂浜の川水浴場の様子(右側)とコンクリート堤防に変わった同じ場所の29日の様子。キム・ポンギュ記者 bong9@hani.co.kr
"蚕室・新谷 水中堰などをなくせば漢江大橋下で砂風呂"
環境団体と河川学者たちが李明博政府が推進する4大河川事業とは正反対の内容を盛り込んだ漢江復元計画を作り、来る6月のソウル市長選挙に出た候補たちに提案した。これらはこの内容を受け入れる候補に対しては積極的に知らせ支援していく方針だ。
ソウル環境連合と大韓河川学会は29日 「ソウル,漢江にある蚕室・新谷 水中堰とコンクリート貯水護岸堤防(水辺の下の堤防)をなくすことにより、漢江の白砂浜と葦の森を蘇らせる方案を用意し発表する」とし「水中堰をなくせば水位が低くなり白砂浜があらわれることになり、コンクリート貯水護岸堤防をなくせば河川と水辺の生態系が互いに連結するだろう」と明らかにした。これらの提案は16ヶの水中堰と377kmのコンクリート堤防を新たに作る政府の4大河川事業とは正反対の内容を含んでいる。
これらの団体は30日午後1時30分、ソウル市議会別館でこういう提案を発表する‘ソウル,漢江の生態的復元’というシンポジウムを開く。この日の行事には民主党イ・ケアン,民主労働党イ・サンギュ,進歩新党ノ・フェチャンなど野党のソウル市長予備候補たちが参加する予定だ。しかし、ハン・ミョンスク民主党予備候補は1審判決を控えており参加することができず、ハンナラ党のオ・セフン,ウォン・ヒリョン,ナ・ギョンウォン予備候補からは返事がなかったとこれらの団体は明らかにした。これらの団体はこの日のシンポジウムで提案された内容をソウル市長候補たちが受け入れることを要求しており、これを受け入れる候補については選挙過程で積極支援・協力していく計画だ。
今回の研究とシンポジウムを準備したソウル環境連合のヨム・ヒョンチョル事務局長は「朴正熙・全斗煥大統領時代に開発という名分で破壊されたソウル,漢江はオ・セフン ソウル市長の漢江ルネサンス事業を通じても全く生き返れずにいる」とし「ソウル,漢江を過去の元気な自然状態に戻そうとする今回の提案が、開発時代方式である政府の4大河川事業と対抗する進歩陣営の議題になることを期待する」と明らかにした。
■漢江白砂浜と葦の森を蘇らせようとするなら?
シンポジウムで専門家たちは市民が水遊びできる漢江の白砂浜と生態系の宝庫である浅瀬と湿地を生き返らせようとするなら新谷堰と蚕室堰を撤去し護岸コンクリートを除去しなければなければならないと明らかにした。
環境運動家チェ・ビョンソン牧師は「今の漢江は川ではなく、手足を漬けることもできず、はなはだしきは魚が卵を産むこともできない死の水路」だとし 「すでに先進国ではダムと堰をなくして川を自然に戻し始めたが、数千億ウォンを投じた漢江ルネサンス工事後にも川は変わらなかった」と話した。
現在、ソウル,漢江には蚕室大橋下の蚕室堰と金浦大橋下の新谷堰など2つの堰がある。漢江総合開発基本計画報告書によれば、水中堰を設置する目的は河川水位を維持し、取水を円滑にして満潮時に塩水の逆潮現象による塩化を防止する一方、水を満たしておくことにより河川美観を改善することにある。
■コンクリート水中堰と堤防をなくしても問題はないか?
専門家たちは2つの水中堰を撤去しても大きな問題がないと明らかにした。パク・チャングン関東大教授(市民環境研究所所長)は「新谷堰と蚕室堰を撤去した場合、発生しうる水理学的変化を分析した結果、2堰間で最大2.5mまで水深が浅くなるが一部区間を除き少なくとも6m以上の水深を確保した」として「船が通い一定の水量を閉じ込めておくための水深としては不足がない」と明らかにした。パク教授はまた「水面積の変化を分析した結果、新谷堰と蚕室堰間では平均10%程度の水面積減少が発生し、それだけ砂場と砂利の多い場所に変わる」として「一部区間は水面幅が620mから250mに大きく減るが、全体的に見れば新谷堰と蚕室堰を撤去しても平均600mほどの水面幅を維持する」と話した。
ヨム・ヒョンチョル ソウル環境連合事務局長は、新谷堰と蚕室堰の解体にともなう漢江下流の河川水利用影響を分析した結果、用水供給に支障がないと分析されたと明らかにした。ヨム事務局長は「蚕室堰撤去は水位低下に影響を及ぼすが、八堂ダムの放流量によって決定される用水量には変化がないので用水供給には問題がない」とし「特にソウル市が江北取水場,岩寺取水場など蚕室堰の影響圏外にある取水区を利用する予定なので何の支障もない」と話した。
パク・ギョンマン,キム・キュウォン記者 mania@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/413077.html 訳J.S