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強制動員生存被害者3人「同意のない第三者弁済、許容しない」

登録:2023-03-14 09:52 修正:2023-03-14 12:51
強制動員被害者のヤン・グムドクさんが13日午前、ソウル汝矣島の国会で、与党が不参加のなか開かれた外交統一委員会全体会議で緊急懸案質疑の参考人として出席し発言している/聯合ニュース

 韓国最高裁(大法院)の賠償確定判決を勝ち取った日帝強占期の強制動員生存被害者3人全員が、韓国政府の推進する「第三者弁済」を拒否するという意思を13日に公に明らかにした。16日の韓日首脳会談を前にしても強制動員問題に対する日本側の態度変化が見られない中、韓国の反発世論はより一層高まっている。

 強制動員生存被害者のヤン・グムドクさん(94)、キム・ソンジュさん(95)、イ・チュンシクさん(99)の代理人団と被害者支援団体は同日、「第三者弁済を許容しない」という政府案拒否の意思を記した内容証明を日帝強制動員被害者支援財団(財団)に渡した。これに先立つ6日、政府は強制動員被害賠償解決策の最終案として、日本の戦犯企業の参加のない「第三者弁済案」を発表した。行政安全部傘下の財団が最高裁で判決の確定している被害者に対し、日本の戦犯企業を肩代わりして賠償金を支給する方式だ。

 しかし、代理人団と被害者支援団体はこの日財団に渡した内容証明で、被害当事者の同意なしには第三者が債務を弁済できないという点を強調した。民法第469条1項によると、第三者の債務弁済は可能だが、当事者の意思表示によっては第三者弁済を許容しないと規定している。代理人団と被害者支援団体は「依頼人の意思に反して弁済しないようにしてほしい」と要請した。

 ヤン・グムドクさんもこの日、共に民主党単独で招集された国会外交統一委員会全体会議に参考人として出席し、「飢え死にすることがあっても、そのような金は受け取らない」として政府の強制動員解決策に反発した。また「大統領に服を脱げ(辞任せよ)と言いたい」とし、尹錫悦大(ユン・ソクヨル)大統領も批判した。国会外統委で民主党は政府案を糾弾し、日本側の謝罪と賠償を求める決議をあげた。民主党は今週を政府の対日外交を批判する集中行動週間に指定し、週末の18日にも市民団体と共同でソウル市庁前で糾弾大会を開くことにした。

 日帝強制動員市民の会のイ・グゴン理事長は、この日国会議員会館で開かれた「強制動員政府解決策に関する緊急国会討論会」で、被害者が日本の裁判所で訴訟を進めた2011年12月、三菱重工業が作成した合意文修正案を公開した。当時の修正案では、三菱重工業が被害者に「心より遺憾の意を表わす」という内容は盛り込まれたが、「強制動員・強制連行」という文言がなく、合意は決裂した。日本政府と被告企業のいかなる遺憾表明もなしに紛争をまとめようとする尹錫悦政権の解決策は、12年前に三菱重工業が提示した修正案よりもはるかに後退したもの。イ理事長は「約10年前に出して取り下げた案を再び使いまわそうとしている」とし「(尹錫悦政権は)『日本の謝罪を要求するのは不可能だ』と言っているが、自ら自分の無能さを告白している」と批判した。

 一方、この日現代日本学会主催でソウル中区(チュング)のプレスセンターにて開かれた討論会では、政府案を支持する意見が出た。世宗研究所のチン・チャンス日本研究センター長は「韓日関係改善を文在寅(ムン・ジェイン)政権が放置したため、これを解決しなければならない時期が来た」と述べた。

シン・ヒョンチョル、チャン・イェジ、オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1083449.html韓国語原文入力:2023-03-14 08:34
訳C.M

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