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ベトナム戦争虐殺被害者の弁護士「民間人攻撃のような不法行為、公式に記載されない」

登録:2023-02-18 04:16 修正:2023-03-03 09:15
イ・ジョンソプ国防部長官、司法判決に反論 
「ベトナム戦争での民間人虐殺は全くなかった」 
元軍幹部のハン・ギホ「国防部は控訴すべき」 
イム・ジェソン弁護士「国防部も事実関係については慎重であるべき」
イ・ジョンソプ国防部長官が17日午前に行われた国会国防委員会全体会議で発言している/聯合ニュース

 イ・ジョンソプ国防部長官は17日、ベトナム派兵韓国軍による民間人虐殺を認めた7日の司法判決について、「国防部が確認したところによると、韓国将兵による虐殺は全くなかった。判決にも同意しない」と述べた。

 イ長官はこの日の国会国防委員会全体会議に出席し、共に民主党のユン・フドク議員に「ベトナム戦争派兵韓国軍の民間人虐殺を認めた司法判決をどう思うか」と問われ、「当時の状況は非常に複雑だ。韓国軍の服装だったとしても(韓国軍では)ないケースが非常に多かった」とし、このように述べた。

 ソウル中央地裁は7日、1968年2月にベトナムのクアンナム省フォンニィ・フォンニャット村で韓国軍に銃撃されて家族を失ったとして、ベトナム人のグエン・ティ・タンさんが2020年に大韓民国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告勝訴の判決を下した。裁判所は「大韓民国海兵第2旅団第1中隊(青龍部隊)所属の軍人が作戦を遂行中、原告(グエンさん)の母親を他の人と共に一カ所に強制的に集め、銃で射殺した事実が認められる」とし、被告である大韓民国に対し、原告への3000万100ウォンおよび遅延損害金の支払いを命じる判決を下した。

 軍の元将官で国民の力所属のハン・ギホ国会国防委員長もこの日の会議で、「今回の判決でベトナム戦争派兵勇士の名誉が失墜し、罵倒されることを非常に遺憾に思う」とし、国防部は直ちに控訴すべきだと述べた。国防部はこの日も「控訴するかどうかは関連機関同士の協議、および法務部の指揮を経て決定される予定」だとの立場を繰り返したが、イ長官の発言は控訴を示唆したものと分析される。

 これに対し、ベトナム被害者訴訟の代理人を務めるイム・ジェソン弁護士はフェイスブックで「公式の戦史や戦闘日誌に民間人に対する攻撃のような不法行為が記載されているだろうか」、「いくら国防部でも事実関係については慎重であるべきだ」と批判した。

 この日の会議では、巫俗人の天供(チョンゴン)による昨年3月のソウル漢南洞(ハンナムドン)にある陸軍参謀総長公館訪問と大統領官邸選定への介入疑惑も取り上げられた。イ長官は正義党のペ・ジンギョ議員に「疑惑に関する事実確認は指示したのか」と問われ、「(官邸に)勤務していた当事者に確認したところ、『そのような事実はない』との報告を受けた」と述べた。イ長官は、北朝鮮の無人機への対応に失敗した将官級と佐官級に口頭・書面で警告したことについては、「指揮責任の範囲を過去より狭めた」と述べた。

イ・ジェフン、キム・ヘジョン、クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1080172.html韓国語原文入力:2023-02-17 17:06
訳D.K

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