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ソウルの空に北朝鮮の無人機…韓国空軍機、対応出撃中に墜落

登録:2022-12-27 06:44 修正:2022-12-27 07:21
無人機5機、金浦、坡州、仁川、江華など5時間飛行 
韓国軍、機関銃100発撃ったが、撃墜に失敗…北朝鮮に偵察機を投入 
空軍軽攻撃機は離陸中に墜落し、パイロット2人緊急脱出
2017年6月21日、慶尚北道星州のゴルフ場で高高度防衛ミサイル(THAAD)などを撮影した北朝鮮の無人機がソウル龍山区の国防部ブリーフィング室で公開されている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の無人機5機が26日、西部戦線の軍事境界線を越えてソウル、京畿道金浦(キムポ)・坡州(パジュ)、仁川(インチョン)・江華(カンファ)地域の上空を飛行したが、韓国軍当局は撃墜に失敗した。これにより、仁川・金浦空港の民間航空機の運航に支障が生じた。北朝鮮の無人機が韓国領空を侵犯したのは、2017年6月以降約5年6カ月ぶり。脆弱な偵察能力を補完するとともに、今年弾道ミサイル発射などで引き上げた軍事的緊張を利用可能な方法で持続するのが北朝鮮の狙いとみられる。

 合同参謀本部は「同日午前10時25分頃から京畿道一帯で北朝鮮の無人機と推定される航跡を数個捉えた」とし、「金浦前方の軍事境界線(MDL)以北で初めて捉えた後、無人機と推定・識別し、空軍戦闘機、攻撃ヘリなどを投入して対応した」と発表した。北朝鮮の無人機4機は首都圏西側の江華島一帯を飛行し、軍探知資産から消失したという。また無人機1機は金浦と坡州の間の漢江中立水域に入り、京畿道坡州など北側方面を経てソウル北部上空に留まった後、韓国領空を離れ北朝鮮側に向かった。合同参謀本部は「最初に識別された無人機1機は3時間ほど飛行後、MDL以北に離脱し、残りの4機は午後に順次捉えられたが消失し、計約5時間にわたって作戦が行われた」と述べた。北朝鮮の無人機が5時間以上韓国領空を侵犯したという説明だ。

 合同参謀本部は、北朝鮮の無人機が軍事境界線を越える前に警告放送と警告射撃をしたと説明した。合同参謀関係者は「北朝鮮の無人機を識別したが、民家の隣接地域、都心地域だったため、撃破射撃ができなかった」と明らかにした。江華郡の喬棟島(キョドンド)の西側海上で、攻撃ヘリコプターから20ミリ機関銃で100発の撃破射撃を試みたが、目標を照準した射撃ではなくレーダーに探知された航跡に対する射撃だったため、撃墜できなかったと合同参謀は説明した。無人機は一般航空機より小さくて速度が遅く、飛行高度が低いため、レーダーで捉えるのが難しい。

 合同参謀関係者は「この日探知された北朝鮮無人機は、2014年に京畿道坡州市、仁川市の白ニョン島(ペンニョンド)などで発見されたように翼幅2メートル以下の小型無人機」だと説明した。同日、韓国領空を侵犯した北朝鮮無人機の偵察装備の装着と武装の有無は確認されていない。2014年、2016年、2017年に国内の野山のあちこちで墜落した状態で発見された北朝鮮無人機は、胴体にカメラが付いている対南監視・偵察のためのものだった。

 同日午後、軍は軍事境界線(MDL)付近の地域と北朝鮮地域に有・無人偵察機を投入し、無人機領空侵犯に相応する措置を取った。無人偵察機は、北朝鮮の無人機が南下した距離に相応する水準で、軍事境界線以北に北上したという。南北は同日、いずれも9・19南北軍事合意によって設定された飛行禁止区域(東部15キロメートル、西部10キロメートル)で飛行した。これについて、合同参謀関係者は「挑発に対する相応措置」だと述べた。

 韓国空軍は同日午前11時39分頃、無人機に対応するため低速航空機KA1(軽攻撃機)を原州(ウォンジュ)基地から出撃させたが、「離陸中に墜落し、操縦士2人は非常脱出した」と明らかにした。航空機が江原道横城郡横城邑(フェンソンウップ)の田んぼに墜落し人命被害はなかったが、墜落地点は民家から300メートル、小学校から50メートル離れたところだった。

 北朝鮮の無人機による領空侵犯によって約1時間にわたり、仁川空港で10便余り、金浦空港で20便余りの運航が遅れた。国土交通部関係者は「国防部が午後1時頃から金浦空港、仁川空港で航空機離陸中断を要請し、民航機に離陸中断措置を適用した」と明らかにした。

クォン・ヒョクチョル、チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1073248.html韓国語原文入力: 2022-12-27 00:52
訳H.J

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